EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

真・MFC千夜一夜物語 第194話 MFCで使う用語のお話 その11

日本工業出版さんの「計測技術」誌での「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年8月号で17回目を迎えさせて頂きました。(9月号は誌面レイアウトの都合で休載だそうです。)
これも一重に、本ブログや連載をお読み頂いている皆様のおかげと思っております。
改めてお礼申し上げます。

応答性
この言葉の具体的な定義の前に、少しお話をさせて頂きます。
マスフローの応答性とういうスペックは、マスフローメータ(MFM)とマスフローコントローラ(MFC)では異なるプロセスを踏んでいます。(下図参照)

MFMの場合
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MFCの場合
150827_02.jpg

そもそも熱式流量計であるマスフローの流量センサーは、(他の方式もそうですが)流量をダイレクトに測定している訳ではなく、熱の移動を量っています。
マスフローの流量測定対象のほとんどが気体である事を考えると、この熱の移動(熱伝導)というものは、それほど速いものではありません。
故に流量センサーで検出される生出力段階では、センサーとしては応答性が遅い方に分類されます。
とうてい高速応答と謳えるようなレベルではありません。

応答性を流量計であるマスフローメーター(MFM)に求めることはあまりありません。
流量がパルス上に送られるような用途は別にして、定量流れている流量の瞬時流量計目的ならば少々応答が遅くても大きな問題では無いことが多いのです。

しかし、流量信号を用いて何らかの制御を行う目的の機器であるMFCの場合、それは流量計単体に求められるのではなく、“システムとしての流量制御の応答性能”を求められるために、応答性に対する要求が強くなります。
特に真空プロセスのEtch装置や、一部のCVD装置では、MFCの応答性が装置のスループットそのものに影響することもあるくらいなのです。
MFCは流量センサーと共に流量制御バルブを内蔵し、その制御系までもワンパッケージにして単体で流量制御システムを単体で構成するという珍しい製品です。
その為、他の流量計とは自ずと異なる視点で見られることが多いのですが、特に応答性に関して過敏なユーザーが多く、カタログでも”高速応答性”が訴求されたものを多々見る事になるのです。

MFCが普及した当初は、応答性6秒程度でした。
現在では、一部のローコスト製品を除いて、大半のMFCで応答性1秒を切るスペックを謳う傾向があります。
1990年代、高速応答を競う時代がMFCにはありました。
当時は「ピエゾ素子をアクチュエーターに採用することで高速応答」という雰囲気が業界にありましたが、図の流量制御のチャートを見て頂ければ一目瞭然で、バルブを駆動するアクチュエーターの応答速度を速くしても、それが影響するのは矢印点線部のみです。
流量制御の大元になるセンサーからの出力がノンビリしていては、“MFCの応答性“は速くなりません。
流量センサーの高速化こそが、MFCの応答性能を決めていると言っても過言ではなかったのでした。
<次回に続きます>

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第193話 MFCで使う用語のお話 その10

日本工業出版さんの「計測技術」誌での「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年8月号で17回目を迎えさせて頂きました。
これも一重に、本ブログや連載をお読み頂いている皆様のおかげと思っております。
改めてお礼申し上げます。
さて、今回もMFC(マスフローコントローラ)で使う用語のお話です。

・動作圧力、動作差圧
この用語は流量制御バルブを持つマスフローコントローラ(MFC)に限定されます。
前回説明した圧力影響とは全く異なる特性です。

MFCの流量制御バルブの構造は、以下の図のようになっています。
(あくまで一般的なソレノイドアクチュエーターを用いた流量制御バルブの模式図であり、全てのMFCが必ずこうだという訳ではありません。)
150818_01.jpg

一般的にMFCのセンサーの下流側には、流量制御バルブユニットがあります。
流量制御バルブは、オリフィスを閉止しているバルブプラグパーツをアクチュエーターによって動かすことで、オリフィスへ流体が流入する隙間=ギャプを制御し、流量を制限する方式が主流です。
その為、圧力条件(MFCの入口圧、出口圧)に応じたオリフィス径と最大ギャップ量を初期設定して、MFCを製作しなくてはいけません。
それ故に圧力条件の変動に対して必ずしも万能であるとは言えません。なぜならオリフィス径は固定であり、ギャップの設定も一度出荷前に行ったものは、容易に可変できないからです。

何度も連載でお話ししていますが、MFCはポンプのように自ら流量を作り出すのではなく、一定の圧力損失を作り出すことで流量を(制限して)作り出すというコンセプトの流量制御機器ですので、MFCが動作するには、圧力損失が必ず発生し、それがそのまま最低動作差圧に直結していると言うことなのです。

よく混同されますが、ほとんどの場合、動作圧力の最大値=耐圧ではありません。
最大動作圧力を超え、耐圧以下の領域は、流量制御動作は保証出来なくとも、MFCが破壊されることはない圧力であると考えて下さいね。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第192話 MFCで使う用語のお話 その9

日本工業出版さんの「計測技術」誌での「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年8月号で17回目を迎えさせて頂きました。
これも一重に、本ブログや連載をお読み頂いている皆様のおかげと思っております。
改めてお礼申し上げます。

・ 圧力影響

MFC(マスフローコントローラ)及びMFM(マスフローメータ)に供給される流体の供給圧(入口圧)変化がマスフローに搭載されている熱式センサーへ及ぼす影響を表します。
「マスフロー(質量流量)だから圧力影響を受けない」という誤解を受けやすいのですが、特に測定対象が圧縮性のある気体(ガス)である限りは、この影響は免れる事は難しいです。

マスフローに流す流体種によって、この圧力影響には差が生じる事も確認されています。
傾向として当然非圧縮性である液体では発生しませんし、圧縮される割合が少ない高圧条件で供給されるガスでは、その影響は低圧より少ないと考えられています。

圧力変動が生じる原因として、第1には圧力が変動することでの狭いセンサー管内での流速変化からくる層流状態の変化と、第2に分流計測方式の場合は、入口圧変化によるセンサー管と層流素子(バイパス)との分流比自体が変化する事がその要因であると考えられています。
層流素子はキャピラリチューブを束ねた構造になっているのが一般的で、この部分で圧力損失をわざと作り出す構造になっています。
この部分に圧力損失があるからこそ、その上にあるU字型の細いセンサー管にガスを流すことが出来るのです。(下図)
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この層流素子近辺の流れの構造は圧力変動があっても、それなりに分流比を維持できるよう各社工夫を凝らして設計しているのですが、層流素子側の圧力損失が固定値である限り、どのような圧力条件でも分流比が一定である・・・という訳にはいきません。

更に層流素子の構造は同じメーカー、同じ型式のマスフローでも、実際は流量レンジにより異なっています。
このことは厳密に言えばモデルの流量レンジ(層流素子の構造が切り替わる境の流量)毎に圧力影響値も異なる筈なのです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan


*次週は夏休みを頂きますので、次回更新は8/19を予定しています。よろしくお願いします^^

真・MFC千夜一夜物語 第191話 MFCで使う用語のお話 その8

日本工業出版さんの「計測技術」で 「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」という連載も2015年8月号で17回目を迎えさせて頂きました。
これも一重に、本ブログや連載をお読み頂いている皆様のおかげと思っております。
改めてお礼申し上げます。

さて、今回もMFC(マスフローコントローラ)で使う用語のお話です。

・温度影響

MFCの説明会をさせて頂いた際に、「マスフローの流量センサーは熱式ですから、当然温度影響を受けるのです。」という説明をしたら、講習会で半分くらいの人がうなずき、残り半分は不審な顔をされたことがあります。
不審な顔をされた方々は「温度・圧力影響を受けないのが質量流量計であるマスフロー」という知識を持った方なのかと思います。
「温度・圧力の影響を受けないのが質量(流量)」であるが、「質量流量計が温度・圧力の影響を全く受けない訳では無い」という理屈でして、Decoの思うところ理想の質量流量計であるコリオリ式流量計でも、振動するチューブ自体のバネ定数への熱影響は無視できないですし、ましてや熱の移動を量る熱式流量センサーにとっては、環境温度変動は大きな問題なのです。

温度影響に関するスペック記載は、以下の二通りが挙げられます。
1つは「温度保証範囲」という定義です。
15~35℃、5~45℃という温度範囲での仕様を保証、または使用を推奨するという記載です。

もう一つは、「温度係数」という表記方法です。
この表記方法はスパンとゼロ点を別々に定義するメーカーもあります。
例えばスパン:0.005%F.S./℃、ゼロ:0.001%F.S./℃といった形ですね。
ゼロ点に対する温度影響は、設置された環境温度でゼロ点調整することで解消することが可能である事は以前もご説明しました。
温度影響はある一方向に出るのではなく、二次曲線的特性を示す事がある為、図のようにあるように「15~35℃範囲で±1%F.S.」といった定義がなされる場合もあります。
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温度影響に関わる内容で、何回かこのブログでも注意喚起をしていますが、MFCの世界では「環境温度=ガス温度である」という前提があることも、まだまだユーザーサイドでは認識されていないようです。
これはマスフローを運用する上で、温度に関して一番注意しなくてはならない条件です。
この前提がずれること=マスフローに対する最適な温度補償が行われないことであり、指示された流量の繰り返し性能を大きく損なっている可能性が高いのです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

パンテック 新作 お総菜サンド&アップルパイ 登場

さいたまで美味しいパンを食べたいならパンテックさん!
と、言うことで久しぶりにパンテックさんの話題です。
(ブログでは久しぶりですが、Decoはよく伺ってます。念のため・・・)

Facebookを始められたそうです!
天然酵母パン&カフェ パンテック

ここには新作パンやまだ試作中のパンの情報が載ってます。
フォローしてもらったり、気に入ったら いいね! してあげて下さい。

さて、その新作パンです。
7/14から新作「お惣菜サンド」がデビューしてます。

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・あぐー豚のメンチカツサンド
・イベリコ豚のコロッケサンド


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・海老カツサンド
・白身魚フライサンド

(いずれも写真はパンテックさんのfacebookから転載させて頂きました。)

この2種が日替わりに並んでるそうです。
お値段はすべて250円(税抜)

Decoは先週土曜に海老カツサンドと白身魚フライサンドを頂きました。
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うーん、どっちも美味い!
日替わりということは、次はタイミングをずらしてメンチカツ&コロッケサンドを狙わなくては・・・
最近、折角減らした体重がまた増えてきてダイエットを再開したのに、まずいなぁ・・・

しかも、 りんごがゴロゴロ入ったアップルパイも!
実は我が家の大好物アップルパイ様!!
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(こちらもパンテックさんのfacebookから転載)
180円(税抜)で、7/21から販売だそうです。

こうなったら美味しいパンをお腹いっぱい食べた分、頑張ってルームバイク漕ぎます。
この暑さでは外を歩いたり走ったり無理ですからね。

皆様もパンテックのパンを食べて、暑い夏を乗り切りませんか?

EZ-Japan ここでもう一押し! by Deco
EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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