もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 2018年8月号(7/25発売)では、特集記事のボリューム増で連載はお休みとなっております。
8/25発売の9月号からの再開をお待ちくださいね。

TIIS認証本質安全防爆マスフローを製造している Bronkhorst High-Tech B.V. (以下 ブロンコスト)は欧州における熱式&コリオリ式マスフローや圧力コントローラのマーケットリーダーです。
この業界では長い経験があり、高精度で信頼性の高い測定・制御機器を設計・製造しています。ブロンコストの多岐に渡る製品群はIP40ラボラトリー型、IP65インダストリー環境型、危険場所型、セミコン向け、分析機器向け等の幅広いラインアップで顧客の用途に合わせて造り込まれています。
今回紹介するのは防爆用=危険場所用のEX-FLOWシリーズです。

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<EX-FLOW 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

EX-FLOWシリーズは、危険場所でのガス流量測定向けの構造です。
本質安全防爆構造である熱式流量センサーと基板部は先んじてATEX/IECEx認証(Ex ib IIC T4 Gb)を取得し、更に2017年になってTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得しました。(労(平29年2月)検/検・第TC21584号) 
防爆に関しては、ブロンコストはオランダのメーカーである事から、当然ATEXを優先して取得しているのですが、これはATEXがEC指令 94/9/EC により、CEマーキング適合指令の一つとして、2003年7月より「強制(compulsory)」となった為でもあります。
ATEXはフランス語の「Atmospheres Explosibles」の意で、これまでのCEマーキング適合指令と同様に、これ以降は、EC加盟国域内で、製造、販売、流通、設置される爆発性雰囲気での使用を目的とした電気機器や災害防止システムは、規制の対象となっています。
その為、現在EUでは、CEマーキングに関するATEX指令(新指令2014/34/EU 94/9/ECの型式試験証明書は引き続き有効)に適合し、指定された表示のつけられた製品でなければ取り扱いが一切できないのです。

危険場所に近い観念として、ATEXではゾーンとカテゴリーで区分けしています 。
*因みに記載のあるGroup Ⅰの炭鉱用 は日本では“炭鉱防爆“として管轄省庁が経済産業省となり、前章で紹介した防爆=厚生労働省管轄の”工場防爆”とは別に存在しています。
日本の防爆でいう危険場所の定義と、ほぼ同様です。
ブロンコストのATEXでのEC-Type試験番号KEMA 01ATEX1172, protection II 2G Ex ib IIC T4 Gbとなり、下図に示す内容となります。

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 このIECEx / ATEX指令防爆対応EX-FLOWを、日本の防爆仕様に対応させるべくTIISへ申請し、やり取りを続けること数年がかりで、費用と時間を費やして、ついにTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得したそうです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan