【お知らせ】

今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただきました。こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

 

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20199月号(8/25発売)は、7月号から引き続き、マスフローコントローラー(MFC)、マスフローメーター(MFM)が属する質量流量計以外の各種流量計(体積流量計)を取り上げて解説を行っています。

 

 

面積式流量計

面積式流量計は、流量計の入門器であり、元祖的な扱いを受けることが多い流量計です。
一般的には面積式と呼ばれることは少なく、フロート式流量計、ガラス管流量計、フローメーター、パージメーター等、多彩な呼称で呼ばれることが多いですね。
でも、こういった通称よりも英語名 Variable area flowmeter (可変面積式流量計)の方が、その測定原理を表していてわかりやすいとDecoは思っています。

その動作原理を簡単に説明しましょう。

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上図にあるように、下から上に向かって広がったテーパー管があったとしましょう。

このテーパー管の材質は、流量目盛とフロートの位置を視認する必要性から透明なガラス製でが多いです。

だから、ガラス管流量計という通称が付いたのだと思われます。

テーパー管の中にフロートが設置されてあり、このフロートは一次側(テーパー管下部)から流入する流れに押されて上方に動きます。

フロートが上がるにつれて、テーパー管の内壁とフロートの間のギャップ部の面積の差が拡大することで流体が抜け出る量が増え、フロートを押し上げる力が弱くなります。
最終的にフロートはその押上げ力と重さがバランスした位置で止まり、その位置が流量を表す仕組みなのです。
テーパー管を利用しない直管式も存在してはいますが、この方式では逆にフロートにテーパー加工が施されており、流路面積が変化する仕組みには変わりはありません。

 

面積式流量計は、テーパー管のサイズとフロートを選定することで微小流量から大流量まで幅広い流量レンジに対応させることが可能です。
基本的に流量測定はあくまで目視によるものです。

その為、電源供給、電気信号による流量値の伝送が不要であるという利点を持っています。
電気的に防爆であることから、他方式の流量計よりも設置場所を選ばない利点も大きいのです。黎明期の半導体製造装置や分析装置等の気体微小流量測定から大流量金属管(Armored Variable Area Flowmeter)等のプラント計装用途まで使用され、使いやすく息が長い流量計となっています。

読値に対する温度圧力補正計算を行うことで正確な体積流量を測定できますし、それに密度ファクターを加えることで質量流量を算出できます。
 だが、電気信号を発しない、目視が測定手段という事は、必ず流量計を見て、値を読み取る作業に従事する人間の存在が必要となるということです。
また、フロートの最大断面積部分で目盛を読むという作業には、個人のスキル差が表れやすく、練度が必要となります。

 

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そして装置の操作パネルの目視しやすい場所に流量計本体を設置する配管レイアウトを必ず組まなくてはならず、更に流量計の設置姿勢は基本的に入口が下、出口を上にする垂直設置しか選べない為に、装置配管レイアウトの自由度が下がる欠点があります。
流量過多、もしくは不足を監視して警報を出力するような用途には向かないし、MFCのような流量信号を利用したフィードバック流量制御にも対応できません。

構造上、樹脂製Oリングでテーパー管を保持しなくてはならず、リーク性能は低めで、腐食性流体には対応が難しい事もあり、半導体製造装置では熱式のMFCにその座を奪われたイメージがあります。

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 上図のように赤外線、もしくは磁力により流量上下限警報出力取り出せるようなオプションや、近年ではフロート位置をビデオカメラで撮影して、その画像処理により異常を検知するといった周辺機器の進化によりアプリケーションを拡充しており、「面積式は熱式MFCにいずれ全て取って代わられる」と囁かれて既に四半世紀以上経過していますが、そのコストメリットもあり、まだまだ根強く広い分野で使用されている流量計なのです。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan