最近、コリオリ式マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラー(MFC)マスフローポンプのご用命を頂く事が増えました。
それに伴い注意いただきたい点をお話ししますね。

完全な質量流量計であるコリオリ式で何に気を付けるべき振動影響です。
コリオリ式流量計の中でも特に微小流量域を得意とするBronkhorst High-Tec.B.V.(ブロンコスト)のmini CORI-FLOWシリーズのように流量レンジによっては内径1mmを下回る細径のステンレスチューブを使用している場合、コリオリ式マスフローにポンプが近接して設置されていて、しかも設置が同じプレート上や構造体の中だった場合、振動の周波数が干渉するとコリオリ式センサーに影響を及ぼしてしまうのです。
また、複数台のコリオリ式マスフローを近接して設置すると相互干渉(クロストーク)を起こす可能性もあります。

少し珍しい例になりますが、微小流量という事でコリオリ式マスフローに接続された1/8インチの配管がしっかりステーで固定されておらず、コリオリ式マスフローとチャンバーの間でフリーになっていて、しかもそれが直角の曲げがあって旗状になっていたりすると、それが周囲の振動を拾って自身も振動してしまうという、言わば”振動のアンテナ”のような役割を果たしてしまって、コリオリ式流量センサーに問題を起こしたこともありました。

いずれの場合も振動の周波数によって、ポンプやコリオリが近接すれば必ず起きるわけではないのですが、不幸にもこういった現象に見舞われた場合の対策をお話ししましょう。
Decoは基本的にブロンコストのコリオリ式マスフローをお買い上げいただいた際は、画像にあるようなステンレスの重量ブロックにインシュレーター(制振材)を配したマスブロック(制振台)を取り付けて使う事をお薦めしています。
 cori-fill
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)

これにより振動影響をかなり取り除く事が出来ます。
先ほどの不具合事例は、配管作業の必要性からこのマスブロックを外して使用した場合に発生していたものです。
つまりコリオリ式マスフロー側で振動対策を取ればほとんど解決できてしまうんですね。
マスブロックを使えば複数のコリオリ式マスフローを直近で並べてもクロストークを抑え込むことも可能です。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan