EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

真・MFC千夜一夜物語(第2期)

真・MFC千夜一夜物語 第317話 MFCに互換性はあるの?その3

 

マスフローコントローラー(MFC)マスフローメーター(MFM)のメーカー間での互換性に関するお話です。


前回、“カードエッジコネクターでリボンケーブルを使っていたりすると、この問題はよく生じます。(USマスフローメーカーでよく見られたカードエッジモデルは、RoHs対応に伴い廃盤になっている筈です。)”という表現をしたら、

「カードエッジってなに?知らないよ・・・」 という反応を頂きました。


 

そうですね、最近ではあまり見かけなくなってきましたよね。

こんなコネクターのことです。(下写真)

200706_01

カードエッジ、基板(カード)の端という言葉でわかるように、カードスロットにモジュールカードをそのまま差し込んで使用するもので、有名なところではパソコンのマザーボードとの接続をはじめ、さまざまな拡張カードとの接続に使われています。


マスフロー(MFCとMFMの総称)のケースを外してみると、こんな感じです。

200706_02


基板と一体化しているが、わかりますね?


PCの中身を知らない方も、スーパーファミコンのカセットの差し込み部を除いたことがあったら、同様のカードエッジコネクターを見たことがあるかもしれませんね?


参照記事 分解できてしまうのです。その3 


 

このコネクターが無くなったとDecoは言いたいのではありません。
産業機器の電気接続コネクターとしては使われなくなったという意味です。

 

なぜカードエッジコネクターがMFCから無くなっていったかと言うと・・・

 


① RoHS以降、対応が難しくなったから


② リボンケーブルはノイズ耐性が低かったから


③ 抜けやすく、トラブルの元だったから


実はDecoは③だと思っています。
(あと、④ 作っていたメーカーが全部なくなってしまったし‥あ、これはブルックスさんに失礼か・・・)


上の写真のようにコネクター左右に固定ネジの無いタイプのカードエッジコネクターは、よくケーブルを引っ張った際にコネクターが浮いて、接触不良を起こしていました。


脱落防止に下の写真のような左右に固定ネジを配したモデルを一貫して販売していたメーカーさんもいましたね。

200706_03

 

今日は少し脱線しましたが、マスフローのカードエッジコネクターに関してのお話でした。


 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第316話 MFCに互換性はあるの?その2

マスフローコントローラー(MFC)マスフローメーター(MFM)のメーカー間での互換性に関するお話です。
まずは寸法上、それも取り付け寸法=面間寸法に関して取り上げましたが、高さ方向に関してはあえて前回はお話ししませんでした。
マスフロー(MFCとMFMの総称)の高さ方向には接続する配管は無いので安心だと思いがちですが、ここにも見過ごしてはいけない点があります。
実験用途などでマスフローを含むガス配管ユニットが開放系で組まれており、ガスボックスに入っていない場合、つまり天井が無い場合は問題ないです。

ところが多くの装置搭載用マスフローは、ガスボックスという箱に入っています。
これはもしもユニットから外部リークが発生した場合に、周囲に拡散することを防ぐ為、ガスを封じこめる、もしくは集中排気して安全に処理する為にボックスに入っているのです。

天井があるとすると、やはり高さ方向の寸法も気になってきますね。
「でも、各社マスフローの高さ寸法の差なんて10mmくらいでしょ?
Decoさんが気にするほどの差はないのでは?」
という声が聞こえてきそうですが、ここで見落としてはいけないのは、電気配線の取り合いです。
下図を見て下さい。

200630_01
 
マスフローには必ず電源供給をする必要がありますし、流量信号や設定信号のやり取りの為にケーブルで接続する必要があります。
多くのマスフローは、そのコネクターが上部にありますので、そのケーブル接続時にどれだけの余裕が必要かを考慮してやらないといけないのです。
特に昨今はノイズ耐性工場の為に、D-Subコネクターのようなメタルハウジングタイプのコネクターと太いシールド線が用いられていますので、コネクターの形状差により高さ方向への張り出しが異なりますし、ケーブルの曲げRにも限界があります。
交換対象になったマスフローが古いモデルで、カードエッジコネクターリボンケーブルを使っていたりすると、この問題はよく生じます。(USマスフローメーカーでよく見られたカードエッジモデルは、RoHS指令対応に伴い廃盤になっている筈です。)
カードエッジのコネクターはケーブル横出しですし、リボンケーブルはシールド線のような固いケーブルではないので配線が自由だったから、高さ方向にそもそも余裕をあまり見ていないガスボックス設計になっている可能性が高いのです。

こういった場合の対応方法として、D-subコネクターのケーブル横出しタイプというのがありますので、それを使う手があります。
 200630_02
絵を比較して頂ければ、一目同然ですね。
この方法は天板が低い場合だけでなく、パージ配管等がマスフローの上を渡してあったりする場合に非常に便利な方法です。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第315話 MFCに互換性はあるの?その1

マスフローコントローラー(MFC)マスフローメーター(MFM)のメーカー間での互換性に関する質問をよくいただきます。

この回答は「あるようでない・・・」と、いつもDecoはお返ししています。

 

あると言えばあるのです。例えば半導体製造装置だと、6-8インチウエハー時代は、VCRタイプ継手を使った2種類の面間、300mmウエハー対応装置ではIGS(Integrated Gas System)仕様の2種という形に、どのメーカーのMFCも大方作られています。

 

200622_01

  

ですが、VCRタイプ継手で2種類の124mm106mmという面間が存在していたというのも、この装置に搭載されたMFCが老朽化して交換の必要があった際に、124mmタイプで106mm用の配管には取付できませんし、その逆も106mmタイプを継手配管で延長するには差が18mmしかないので難しくなります。

(そういうこともありこの“少しだけコンパクトなMFC”はあまり流行りませんでした・・・)


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IGSタイプも、1.5インチ1.125インチというMFCで言うと奥行方向の寸法差がありますし、取り付ける際のシール方式もWシールCシールがあります。(その昔はもっとありました、CSH1G・・・)

なのでやはりそこをちゃんと確認して交換用のMFCを手配しないといけないわけです。

 

これは半導体製造装置の世界だけの事で、その他の業界向けMFCでは、また異なってきます。

ま、ブロンコストさんのW:30D:20H:40mmという小さなMFCまで世の中にはあるのですから、仕方ないのですけどね。

 

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【出典:ブロンコスト・ジャパン()

互換性があるようでない=1つの配管規格に統一しきれていないのがMFCの泣き所です。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

 

真・MFC千夜一夜物語 第314話 MFCのボディは何でできているの?その6

電解研磨

一般にステンレスの電解研磨は、被電解物をプラス、相対電極をマイナスとして硫燐酸(硫酸と燐酸の混酸)の液中で直流電流を流すことにより行なわれる陽極酸化プロセスです。

200525_01

 

被電解物の表面付近に生成される皮膜の電気抵抗が大きいため凸部が凹部に比べ優先的に研磨され平滑になる傾向があります。


200525_02


その為、機械的に仕上げられた表面とは異なり微小な凹凸はないが全体的にゆるやかな波打った表面に仕上がり、初期は表面粗度では大きなアドバンテージはなかったのはあまり知られていない事実です。

その後、技術が進み、Ra0.1μm以下を実現できるようになっています。


ステンレスの中にはアルミナやシリカといった非金属介在物が存在してます。

電解研磨するとこうした異物の周辺で選択的に研磨が進行して穴が掘れる現象が発生してしまうそうです。

故に電解研磨に適した材料=非金属介在物の少いVIMVAR材ということになるのですね。(310参照ください。)

 

電解研磨処理(EP)の主用途としては、配管や小型部品です。

それに対して、複合電解研磨という研磨材よる擦過作用と中性塩電解溶液を用いて微弱電流による電解作用とを交互に行なう技術もあります。
凸部の不働態膜を機械的な擦過作用で削る行程と、むき出しとなった金属表面を電解により溶解することで平滑にするという工程を連続して行なうことで、研磨速度が単独で行なう電解研磨や機械研磨に比べ飛躍的に早くなるメリットを活かして大型部品によく使用されています。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

 

 

 

真・MFC千夜一夜物語 第313話 MFCのボディは何でできているの?その5


アウトガス

ウルトラクリーンテクノロジー(UCT以前は、表面粗さを改善しようと積極的にバフ研磨が接ガス部品にも使用されていました。

バフ研磨は、簡単に言うと研磨剤を保持する柔らかい布や皮でできたバフ(羽布)を回転させ、それに研磨剤を塗布して品物を研磨する方法です。
「表面を均一に研磨して表面層を除去し、滑らかな表面を造りだす」のが理想です。(写真参照)

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精密バフ研磨品 出典:()坂本製作所

()坂本製作所さんのHPへは こちら から

 

この際、表面の凸部を削り取り、それを凹部に埋め込むといったこともまれに起きてしまいます。

埋め込み層は通常の洗浄では除去できず、目視では鏡面で光沢を持っているためクリーンな表面に見えてしまいます。
しかしこのような表面からはハイドロカーボン系のアウトガスが大量に放出されることもあるのです。
半導体産業で使用されるガスの純度は著しく高く、アウトガスによる純度低下、汚染は大きな問題となります。
そこでアウトガス対策の観点から埋め込み層の生じない電解研磨が使われるようになってきました。

同様にOリングや、バルブプランジャーで使用されてきたエラストマー材料は、部品レベルでどれだけ枯らしてやっても、その組成上、そこからのアウトガスは避けられません。

UCT対応でエラストマー材が避けられる理由は外部リークレートだけではないのですね。

 

最期に脱線しますが、日本では高圧ガス保安法 一般則 第六条 三十五において以下の記載があります。

 “毒性ガスのガス設備に係る配管、管継手及びバルブの接合は、溶接により行うこと。ただし、溶接によることが適当でない場合は、保安上必要な強度を有するフランジ接合又はねじ接合継手による接合をもつて代えることができる。”

溶接出来ない場合、使用できる「ねじ接合継手」としての継手形状とシール方法が例示基準で決まっています。
実はその段階で下図右側の図のようなネジ山部分が接ガスしてしまう一般的なエラストマーシールタイプのMFCの構造は全てアウトなのです。

200518_03


半導体向けでなくても、これは注意したい部分ですね?
実はDecoも最近教えて頂いたのですが・・・

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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