EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

MFC豆知識

マスフローの進化とグレード

このブログでは、マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラ(MFC)を総称してマスフローと呼称しています。
この定義は基本的に質量流量計である熱式流量センサーを搭載したモデルの事を指します。
それ以外の方式の場合、コリオリ式マスフロー、圧力式マスフロー(圧力式流量計は体積流量計なので、おかしな表現ですが・・・)という呼称で差別化しています。

さて、マスフローのメイン市場は半導体製造装置だというお話は何度かしてきていると思います。
最盛期はMFCの80%が半導体製造装置向け(SEMI向けと呼称)だったこともあるくらいです。

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上図は、SEMI向けMFCの世代分類です。
と、言っても公式な設定は無い(筈です)ので、Decoが便宜上作った分類です。
SEMI向けのMFCの進化は凄まじいのがあり、第6世代まで様々な技術開発競争が行われてきています。
これは質量流量制御器としてのMFCの基本性能に関わるものもあれば、MFCが組み込まれる装置側からの要求フォーマットに適応したものもあります。
高速応答、デジタル制御、MGMRは前者、IGS、フィールドバス、PIは後者になります。

こういったSEMI向けで開発された各種技術は、SEMIの裾野分野(液晶、太陽光、蒸着)から、そこまでクリーンでなくても良い一般産業用途向けマスフローにも影響を呼ぼしていきます。

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上の図の中段、グリーンの枠がそうですね。
その下の紫の枠が流量計全般の用途である各種一般産業用途 FA用であり、熱式MEMSセンサーを搭載した比較的安価なMFM等が好まれるカテゴリーなのと一線を引いた存在なのです。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan

ユニット、タイランってどうなったの?

久しぶりのMFC豆知識のコーナーです。

EZ-Japanに頂くお問い合わせで、安定して上位にいるのが、「このマスフローコントローラー(MFC)はどこで修理できますか?」という内容のご質問です。

MFCのブランドをお聞きすると・・・・
「TAYLAN(タイラン)って書いてます・・・」
「UNIT(ユニット)ですね・・・」
Celerity(セレリティ)ってメーカーです」
「Mykrolis(マイクロリス)って?」
等々・・・・

これらは全てUSAのMFCブランドです。
今は・・・存在しません。
一言で言うと、今は全てブルックスブランドに統合された上で、旧ブランドの製品は全てEOL(生産終了)、サービスも終了しています。
下の図を見てください。

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そもそもUSAのMFCメーカーのタイラン、ユニット、ブルックスは、MFCの黎明期にNASAのアポロ計画にも参画していたと言われ、MFCのオリジンとでもいうべき存在だと、Decoは初心者の時に教えてもらった記憶があります。
(ちなみにここにあるTYLANは、日本タイラン(日本アエラ→アドバンスエナジー→現)日立金属)とは袂を分かって、TYLAN GENERALとなったUSA本家TYLANのことです。)

それから二十余年・・・とある縁でDecoはこれらのUSA-MFCブランドの日本での終焉に立ち会う事になりますので、この辺りは詳しいのです。
(決して詳しくなりたいと思ったことは、一度もないんですけどねぇ・・・)

お手持ちのMFCの修理・買い替えを考えておられる方で、コンタクト先がわからないよ!という方は、Decoにご相談下さい。
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EZ-Japan HPの 消えたマスフローメーカーお探します もご参照ください。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan




面間寸法ってなんですか?

久しぶりのMFC豆知識のコーナーです。

今使っているマスフローコントローラー(MFC)が古くなってきたし、新しいMFCへ置き換えを検討しえて、MFCメーカーさんに見積もらおうとしたら、「面間寸法がわかりませんか?」と言われてしまったことありませんか?

面間寸法って、どこの寸法だろう?とお悩みの貴兄へ・・・ずばり!ここの事です。
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MFCの入口側継手の再突出部と出口側のそれとの間の距離の事なのです。

今のMFCは、1/4”VCR(フェイスシール)タイプならば面間寸法は124mmでどのメーカーもほぼ統一されてきたかな?と思うのですが、古いMFCですとそうもいかないのです。
例えば、少し前までコンパクトサイズという1/4”VCRタイプならば面間寸法は106mmというちょっと小さいサイズのMFCが国産では見られました。
更に124mmよりも大きなサイズも過去には色々とメーカーごとにありました。

それと面間寸法程知られていませんが、「芯高」という寸法もあります。

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芯高とは読んで字の通り、MFC底面から継手の中心点(芯)までの高さを言います。
これが1mmでも違うとVCRでは絶対接続できませんし、融通が利きそうなSWL(=LOK継手 食い込み継手 コンプレッション継手)でも厳しいです。
ここでいやらしい話なのですが、昔の装置では、この芯高が入口と出口で違うMFCが使われていたことがあったのでした。
もしこのタイプの置換となるとスーパーハードモード決定ですね。
諦めて配管を再施工していただく事が多かったですね。
さすがにもうないでしょうが・・・

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最近はIGS(Integrated Gas System)対応のMFCが増えました。
継手が無くなった筈のIGS用ですが、実は面間寸法に似た規格があります。
ポート間寸法(ピッチ)です。

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IGS対応機器はダウンポートと言って、機器の底面に入口出口があります。
下図を見て頂ければお判りいただけると思いますが、今までの継手ではサイドにあったポートが、底面にあるのです。
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ここでも92mm79.8mmというピッチの異なる規格がありますし、更にMFCでいう奥行方向も1.5”インチ1.125”インチという規格があります。
(IGSの他の機器はMFCと異なり、スクエアな底面デザインなので、1.5インチ角、1.125インチ角になrってます。MFCだけ仲間外れですね。)
えーっとさらに最近では10mmという規格もあります。
更にIGSでVCRやSWLに匹敵する部分としてシール形状、WシールとかCシールというものがあり、同じ92mmピッチ、1.125インチIGSでもここが共通でなければ接続できません。

やれやれ、IGSになってもやはり色々と覚えることは多いものなのです。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan




アクチュエーターの性能の違いが、MFCの決定的差ではないということを教えてやる!

MFC豆知識のコーナーです。

前回と違って、えらく長いタイトルですが、某ロボットアニメの赤い人のセリフ モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを教えてやる”のパロディです。

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よくこのMFCはピエゾだから応答が早いという話をされるお客様がおられますが・・・
間違いではないけど、正解でもありません。
確かに第1世代のサーマル(=熱膨張式)アクチュエーターと比較すれば早いでしょうが、そもそもMFCの応答性能はアクチュエーターの性能だけでは決まらないからです。

MFCとしての応答性能は下図のようなプロセスを経て、流量が制御されるまでの時間を表しています。

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この中で圧倒的に遅いのは、実は初段の部分=センサーでの熱移動の感知です。
そもそも熱というものは、そんなに素早く移動しません。
熱式流量計というものは、数ある流量センサーの中でも鈍いセンサーなのです。
例えば歪を捉える圧力センサーと比べたら10倍は遅いでしょうね。

「あっ!だから圧力式MFCの方が応答が早いんですね!」
というご意見も、あまり当たっていません。

MFCの応答性、それはPVを出力する流量センサー、SV=PVとなるよう比較・判断・操作する調整計、調整計からのMVで動く流量制御バルブ(アクチュエーターを含む)、この3つが積み上げた結果の値なのです。

MFC千夜一夜物語 第301夜からのお話は、この辺りをお話ししてみましょうか?
このお話の終着駅にある結論は、いささかとんでもないものになりそうなのですが・・・
下手するとMFC不要論にもなりかねない、マスフローマイスターが廃業しなくてはならないような怖いお話かもです。

お楽しみに!

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan



MFCとは?

久しぶりのMFC豆知識のコーナーです。

マスフローコントローラー(MFC)とは何でしょうか?
実は11/15のNMIJ流量計測クラブの年会での講演でもお話しさせて頂いたのですが、
マスフローメーター(MFM)が純粋な質量流量計、つまり流量計なのに対して、MFCは複雑なのです。


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MFCとは流量センサー(熱式やコリオリ式)と流量制御バルブで構成されると書かれることがありますが、正確には違います。
MFCは 流量センサー、調整計、流量制御バルブ の3つから成り立つことを覚えておいてください。

流量センサー  流量を測定し測定値(PV)を出力する
調整計     外部から目標値(SV)を受け、流量センサーPVと比較・判断し
        操作量(MV)を決定し、流量制御バルブを操作する
流量制御バルブ MVを受けバルブ開度を調整する(=圧損を可変することで流量を調整する。)

これを上図の左側で人間が手動流量制御を行っているのになぞらえると

①流量計を目視して流量を知る 
②流したい流量値と比較して判断する 
③ニードルバルブの開度を手で調整する

という作業を、小さなMFCが代わりに引き受けて、24時間、夏でも冬でも、供給圧力が乱れても、同じ流量を流し続けることができる自動流量制御を実現してくれる便利なツールなのですね!

そう考えると、マスフローコントローラーは質量流量計なだけでなく、流量の自動流量制御を可能にするマルチファンクションツールなのです。
実はすごいと思いませんか?

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan
EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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