EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

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【定期掲載】<注意喚起>マスフローを修理返却されるに当たってのお願い

毎年書かせて頂いているので、またかよ?とおっしゃる方もおられるでしょうが・・・
人命にかかわる事ですので、しつこく書かせて頂きますね。


4月以降の新年度でマスフローコントローラー(MFC)やマスフローメーター(MFM)を、修理や再校正作業でメーカーに返却される場合、気を付けて頂きたい事があります。

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出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

修理依頼品に付けて頂きたいメーカー指定の書式があるとお思いますが、Decoが現役のメーカー時代から、これが記載されていなかったり、不十分なものが散見されます。
特に除染関連、このマスフローにはこういった種類のガスをどれだけ流していて、取り外し後はパージ作業を行ったか?という書式は、日本ではなおざりにされがちです。

たとえばブロンコスト・ジャパン(株)でしたら、除染告知書という書式があり、これが必要事項記載されていない場合、作業には取り掛からないという約束が世界的にあります。

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【除染告知書 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

除染告知をおろそかにするという行為は修理内容の確認で双方の時間を浪費するだけでなく、
最悪の場合作業者の健康を損なったり、生命の危険を招くこともあります。

「Decoさん、いくらなんでも大げさでしょう。」と言われるかもしれませんが、マスフローに流される流体は決して安全な空気だけではありません。
特に半導体製造では毒性、可燃性のガス種のオンパレードであり、ppmオーダーで致死量に至るガスもあります。

もう時効だからお話ししますが、20年以上前お客様から返却された窒素のマスフローに塩素が充たされていたことがありました。添付された書類にはどこにも塩素を流したとは書いてなく、パージの項目は「済み」と記載しました。
受け入れ作業で開封したところ、わずかに塩素ガスの匂いがしたので、あわてて除害ボックスに放り込んだのですが、受け入れ担当は気が付くとうっすらと鼻血が出ていたとのことです。

この話を依頼元のお客様にしたところ、「知らない、君たちの受け入れのやり方が杜撰なんだろう。」と言われました。
安全を確保するには、すべてを疑ってかからないといけないのは確かで、受け入れ側にも改めるべき点はありましたが、自分達が使用したプロセスを把握せずに修理に出す”杜撰な人”に言われたくはありませんね。
(因みにその会社は経営のやり方も杜撰だったのか、もう存在していません。)

マスフローの修理や再校正をご依頼頂く際は、以下の事を明確にしましょう。

・依頼者の連絡先
・製造番号
・どのような流体で使用されていたか?
・送る前にどのような洗浄されたか?
・故障内容の詳細(いつから、どこで、どのように不具合が生じているかを詳細に。)
・再校正依頼ならば、出荷にどういったドキュメント(トレーサビリティ体系図等)を付ける必要があるか?

Decoからのお願いでした。

MFC豆知識 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第332話 MFCの健康診断 その1

Decoは心不全からの合併症で正月明けから37日間の入院生活を送りました.
病床で「やっぱり適度な周期での健康診断は受けないとだめだな・・・特に忙しい時ほど、受けておくべきだったなぁ。」と思いました。
マスフローコントローラー(MFC)マスフローメーター(MFM)も同じです
定期的な健康診断は、マスフロー(MFCとMFMの総称)が機械ものである限り、怠ってはいけません。
では、マスフローの健康診断はどこで受けたらいいのでしょうか?

まずは生みの親であるマスフローメーカーですね!
メーカー時代のDecoの話ですが、たまにお客様から
「他社のMFCだが、流量が正常に制御できているか、診てくれないか?」
と真顔でお願されたことがありました。
さすがにこれはダメです。
確かにメーカーの工場には、流量を測るツールはありますし、工具もそろっていますが、自社製品を保守する為に維持している設備・工具であって、他社製品に対して用いる事は、色んな意味で不可です。そもそも手元の工具で分解できるのかも、設計が異なればわかりませんし、電源、信号系が適応しているのか?(特にデジタル通信の場合、同じフィールドバス対応でも、社内設備はRS485やRS232Cの自社プロトコルで動作させている製品もあります。
好意で受けた他社品の校正で流量校正原器を汚染させてしまったら、もう目も当てられませんし・・・

「自動車の場合、メーカーが異なっても点検を受けてくれるじゃないか!」としつこく(失礼!)食い下がれらたこともありましたが、「いや、自動車のような、どこにでかけて故障するかわからないツールと違って、マスフローは設備ですから・・・」とご説明した記憶も残っています。

はい、なのでマスフローの健康診断は、まずは製造元に送り返して、やってもらいましょうと言うのが、原則だと憶えておいてください。


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【除染告知書の一例 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

そして、メーカーに出す際は、必ずパージを念入りに行い、除染済みであることを証明する書類(除染告知書)があれば、それをきちんと添えて送ってくださいね。
何度か繰り返しお願いしていますが、除染がきっちり行われていない製品や、どういった流体を流したかの履歴を正確に連絡されていない製品をサービスに送り返されると、受け入れ側で最悪死人が出るような大事故が起きるかもしれないのです・・・

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan


<注意喚起>マスフローを修理返却するに当たってのお願い

何度か本ブログでも触れ、またブロンコスト・ジャパン(株)さんのサービスブログ でも取り上げておられますが、お使いのマスフローコントローラ(MFC)やマスフローメータ(MFM)を修理・点検に送っていただく際は、必ず除染作業を行って頂き、その上でどういった流体を流していたかをできるだけ克明に描いていただき除染告知書として添付いただきたいと思います。

これは思わぬ残留ガス、液体により、サービスを行う作業員の安全が脅かされたり、設備・機材が汚染、破損したりしない為にメーカーはお願いしている事です。
マスフロー(MFCとMFMの総称)有毒物質や爆発性・可燃性・腐食性流体が付着、残留している可能性がある場合、必ず通知頂くようお願い申し上げます。


人命は何よりも重いものです。
Decoの見聞きしてきた中では、そこまでの事故はありませんでしたが、返却されたMFCのバルブ部に塩素系ガスが残留していて、うかつに開封してしまった作業員が鼻血を出したなどの事例はありました。
もちろん受け入れ側も、そういった事態を想定せず、N2(窒素)という銘板仕様を鵜呑みにして、必ず除害を行えるブース環境で作業するという取り決められた手順を守らなかったのが、事故の主因です。
ですが、お客様の協力を頂ければ、こういった事故確率を減らすことができるのも、また確かです。

また、除染の為にガスMFCに溶剤を流されたという事例も最近聞き及びました。
お客様は告知書にその旨を書いていただいていたらしく、事前に確認が取れた良い事例です。
「動作が不安定な機器の汚れをとるべく、溶剤を流し込んでN2パージした。」とのこと。

これはお客様がマスフローの構造をよくご存じなかったからだと思われます。
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マスフローには内径が1mm未満の狭く細い流路が多くあります。
熱線式センサーのチューブは.0.35~0.8mmのSUS管です。
層流素子(バイパス)もそれに似通った構成です。
更にMFCの場合、流量制御バルブのオリフィスは 例えばFS:10SCCMなら0.1mm以下の径になります。
下図では説明の都合上、わざと太く書いてありますが、アクチュエーターのリフト量も小さく、狭いギャップで流量制御を行っています。
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ここに溶剤を流し込んで、後からN2パージをしても、まず抜けきることはありません。

溶剤を流して、N2パージという手法そのものは決して間違ってはいないのですが、上記の構造上の理由からマスフローでは避けて頂きたいです。

安全は何にも代えられません。
是非とも宜しくお願いいたします。

MFC豆知識 by ”Deco” EZ-Japan


EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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