EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

タテヤマ製作所

ブロンコスト 韓国防爆規格KOSHA認証 KCsマーク取得!

ブロンコスト・ジャパン(株)の本質安全防爆気体用マスフローメーター(MFM) ”EX-FLOWシリーズ” が韓国防爆規格KOSHA認証 KCsマークに対応したことが、Bronkost HIGH-TECH HPで発表されています!

180828_01

これでブロンコストの防爆MFMはEUで必須のATEX防爆規格に加え、以下の3エリア向け本質
安全防爆認証を獲得したことになります。

IECEx = IECEx DEK14.0060

TIIS = 検・第TC21584号 (日本)

KCs = Ex ib IIC T4 (韓国)


IECExをそのまま自国の適合品として受け入れている国はオーストラリア、ニュージーランドなどです。
更に各国でIEC規格を検定の基準とする動きが進んでいますが、現時点で日本、韓国はTIIS、KOSHAの国内用型式適合証明が必要です。

Decoが思うにこういた安全規格は、できるだけ世界統一されたものが望ましいのですが、現実にはTIISやKCsを無視して"ATEXだから”、"IECExでは取ってるし”では、せっかくユーザーさんが使いたくても使ってもらえない訳です。
そこでこういったアジアの防爆規格にも目を向けてくれる、ブロンコストさんは「このビジネスのことをよくわかっていらっしゃるなぁ・・・」と感心してしまいます。

EX-FLOWとセットで本質安全ループを形成する(株)タテヤマ製作所さんの新製品 ”シグナルプロセッシングモジュール TSPM-003-ES”も、同じくKCsの対応が可能になりました。


TSPM003_01TSPM003_02
【TSPM-003-ES出典:(株)タテヤマ製作所】


200316_01
【出典:ブロンコスト・ジャパン(株)&(株)タテヤマ製作所】

前から力説していますが、本質安全防爆仕様のマスフローは、耐圧防爆のそれよりもかなり安価になります。
もちろんTSPMのようなバリア搭載電源と本安ケーブルを足してもです。
なぜならば、本質安全防爆は電気部でその安全性を担保します。
ブロンコストの防爆マスフローは、ボディ(ブロック、層流素子、継手)は、従来のブロンコストのマスフロー(IN-FLOWシリーズ)と共通部品で対応できるから安価に作ることができるのです。

最近お問い合わせが多いのが、大流量水素用途でのEX-FLOWの引き合いです。
ここにきて水素ラインの防爆がマスト条件となりつつある気配を感じます。
本質安全防爆マスフローは、微小流量から超大流量までラインナップされていますので、是非検討してみてはいかがでしょうか?

EZ-Japan MFCニュース by Deco

真・MFC千夜一夜物語 第262話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その9

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 

20189月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

ブロンコスト・ハイテックBronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用EX-FLOWTIIS認証本質安全防爆構造です。

ただし、本質安全防爆として認証されているのはEX-FLOWの流量発信器、つまりMFMのみであり、MFCは残念ながらTIIS認証を取ったソレノイドコイルが存在しない為に実現されていません。
誤解を招かないように説明すると、TIIS認証本質安全防爆構造電磁弁”は存在しています。
ただし、それは電磁弁でも閉止弁としての構造のものです。
Deco
もその仕組みを説明してもらったことがあります。

バリアで制限された電流でコイルに大きな磁力を発生する為に、電磁弁側回路にコンデンサーを用いて電流をため、開動作で消費電流が大きいモードに入る際に開放する素晴らしい仕組みでした。
しかし、通常動作時の電流消費が小さい閉止弁と異なり、常に開度を調整し続けるような使い方がメインの比例制御弁であるMFC用のソレノイドアクチュエーターに即転用できるとは思えませんでした。

 

では、折角のEX-FLOWシリーズを防爆構造のMFCとして使用する事は全く不可能なのかと、そうではありません。
MFM
としての、TIIS本質安全防爆構造のEX-FLOWはあるのですから、流量制御弁を何とかすればよいのです。
実はその解消アイデアは前回ご紹介したATEX本質安全防爆構造のMFCの形態から逆算していくと見えてくるのです。

 

TIIS認証防爆対応フローコントロールユニット

 

ブロンコストのEX-FLOW MFMTIIS認証本質安全防爆MFMとして使用する際に、その相棒と言える存在として(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールTSIP-002-CRを紹介しました。(下図に外形図)


第6図
 

前回の解説ではEX-FLOWと本質安全防爆ループを構成する部分、つまり本器の機能の触りだけを説明しましたが、今回は更に詳しく解説していきます。

本ユニットは TIIS認証本質安全防爆発信器(EX-FLOWのような流量発信器、圧力発信器等)に対応しており、TIIS 技術基準認証本質安全保持器(本安電源/電流リピーター)を内蔵しているので、発信器と直接接続することが出来ます。
このユニットの機能はそれだけではありません。

以下にその内容を記します。

 

【機能】

1. 各種本質安全防爆発信器へ本質安全電源を供給

2. 本質安全防爆発信器からの信号を TIIS 技術基準認証安全保持器経由で受信

3. 安全保持器で受信した信号を信号変換(電気的にアイソレーション)して非防爆機器(指示調節計)へ供給

4. 指示調節計で計測値を表示し、外部へ計測信号(420mA)を出力

5. 指示調節計から目標値(セットポイント)を設定可能(ローカルコントロール)

6. 指示調節計は PID 制御機能を有しており制御信号(420mA)を出力可能。この出

力信号で耐圧防爆構造操作端(調節弁、ポンプ、コンプレッサー等)を駆動することが出

来す。

7.指示調節計にはリモート/ローカル設定信号切替機能を有しておりリモート側へ切り替えることにより、外部設定信号 420mADCSPLCPC 等から)を受信可能(リモートコントロール)

8. 流量上下限警報出力機能

9. A/M スイッチを M(手動)にすることによって操作端への出力を設定可能。

例:調節弁の場合手動による設定信号で開度調節、又は全開、全閉が可能

 

57項にあるように、本ユニットはPID制御機能を有しています。
流量発信器からのPV値と本ユニット、もしくは外部入力からのSV値を比較して同値になるよう耐圧防爆構造の流量調整弁やポンプに対し、MV値を送って流量制御が可能なのです。
これはMFCが内部でやっている事と同じですね?
EX-FLOW
と本ユニットに、用途に応じて耐圧防爆構造流量調整弁やポンプを接続することで防爆構造のフローコントロールモジュールを形成できるのです。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第259話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その6


もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20189

月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

 

・ユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュール

ブロンコスト・ハイテック(Bronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用マスフロー(MFCMFMの略語)のEX-FLOWシリーズを国内本質安全防爆で使用する際に、その相棒と言える存在が、(株)タテヤマ製作所 のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュール“TSIP-002-CRです。(写真)


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【出典:()タテヤマ製作所】

 

 前回ご説明しましたように、EX-FLOWはあくまで流量発振器であり、これだけではMFMとして信号を外部のPLC等とやり取りが難しくなります。
そこでTSIP-002-CRが必要となるのです。
本機 は TIIS 国際規格に整合した技術指針及び技術基準認証本質安全防爆発信器(流量発信器、圧力発信器等)」に対応しています。
TIIS
技術基準認証本質安全保持器(本安電源/電流リピーター)を内蔵していますので、本器を非危険場所に設置して、危険場所に置かれた発信器(この場合EX-FLOW)と直接接続することが出来ます。

下図で機器構成図を示します。

180903_01

 

EX-FLOWTSIP-002-CRを組み合わせて使用することで、初めてTIIS認証本質安全防爆MFMとなります。
マスフローでこれと似通った形態を採っているものは、唯一高温用分離型マスフローですね。
高温用マスフローが分離型となり、流量発信器から微弱な電圧信号を送る理由は80℃を超える高温領域に電子部品を置けない為でしたね?

安全性の要求ではありませんし、法的な制限もないのですから、危険場所へ点火エネルギーを送らない本質安全防爆仕様とは似て非なる背景の製品なのです。

 

因みにATEX/IECEx本質安全防爆で使用する場合は、ブロンコストにも同等の組み合わせが可能なE-8000シリーズがあります。
でも、日本国内ではTIIS認証を有する本質安全防爆構造が必要とされるのです。
その為の
TSIP-002-CRなのですね。

180903_02

 

今回はEX-FLOWと(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールTSIP-002-CRとの接続による本質安全防爆MFMとしての運用の解説でした。

次回はユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールの拡張機能であるPIDコントローラを用い、本質安全防爆構造防爆仕様MFCとしての運用を解説しますね。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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