徒然日記なのですが、本人が思ったより扱いが難しくて、そのまま放置していました。

本音をぼやくと言いながら、いやいやなかなか難しいものだなぁと・・・

 

さて、流体制御システムを組まれる方ならバルブ関連の用語 Kv もしくは Cv という言葉を御存知かもしれません。

本ブログでも、MFC豆知識“【用語解説】Cv値とKv値” で解説しています。

 

ここの最後の文で、
“でも、マスフローコントローラ(MFC)の場合、これらの容積係数の分だけ必ず流量が取れるわけではないので、そこのところは要注意です。”  
と書いたのですが・・・

この後も結構、聞かれることが多いのです。

それも、流体制御の初心者ではないような方々から・・・

 

これは書こうかなと思ったので、ここで簡単にお話ししておきます。

 

MFCKv値(Cv値)を聞いても、意味はありません!」

 

全く意味はない事はないのですが、それはMFCを全開にしてパージするときくらいで、それすらソレノイドアクチュエーターのMFCなら、経時的にコイルから発熱が大きくなることで、アクチュエーターの推力がダウンするので、やはり正確な値とは言えなくなります。
ピエゾの場合は、熱へ変換される事がほとんどないのでいいのですが、そもそもリフト量が小さいアクチュエーターなのでバルブ全開モードでもそのKv値(Cv値)分で流せる流量はたかが知れています。

パージが必要ならば、かならずMFCをバイパスする配管を設置してください。

 

では、通常制御時になぜKv値(Cv値)の情報が役に立たないか?というと、先ほどの文章に答が書いてあるのですが、MFC通常流量制御時はKv値(Cv値)よりはるかに下の流量レンジで制御しているからです。

 

「では、この設定流量時のKv値(Cv値)なら出せるだろう!」


と、お聞きになる方もおられます。

出せない事はありませんが、やはりあまり意味はないかと・・・

MFCに搭載される流量制御バルブは、ある電圧信号VS開度での流量曲線を示す比例制御弁、電動モーターバルブとは異なった配管制御部品です。

異なるのは構造のことではなく、その役割の事です。

 

あくまで流量センサーからの流量信号(PV値)と設定信号(SV値)を比較し、それらが同値になるようバルブ制御信号(MV)を可変させるのがMFCなので、MFCの役割は流量を制御する事であり、そこに搭載されている流量制御バルブに求められるのは、ある値のバルブ制御信号を得たら器差なく同じKv値(Cv値)になるようにそれを制御する事ではないからなのです。

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MFCMFCの中で調整計をもっており、自身でフィードバック制御をするものであること、
MFCPID制御を活かしたまま、外部からPID制御でSV値を与えて制御しようとする間違いをおかした際にも直面する理屈なのですが、MFCが何たるか?を、理解いただく上で一番重要なところです。

 

マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan