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EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

ブロンコスト

Decoの選ぶサーマル マスフローコントローラの究極形 ~ EL-FLOW Prestige

Decoの選ぶサーマル(熱式)マスフローメータ(MFM)&マスフローコントローラ(MFC)の究極形は、ブロンコスト(Bronkhorst HIGH-TECH B.V.) の EL-FLOW Prestigeシリーズ です。

その EL-FLOW Prestigeシリーズがバージョンアップをするとのニュースが入ってきました。
既に2018年のアップデート内容は、本ブログ記事でお知らせしたとおりなのですが、2019年になって更に隠し玉的な内容があったようです。

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<EL-FLOW Prestige 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

今までEL-FLOW Prestigeシリーズはマルチガス対応として、25種類のガス種とそれらを最大5種まで任意濃度で混合したガスにガス切り替えが可能なデータを本体に内蔵していました。
これは、FLOW-TUNEというブロンコストが配布しているソフトを使用して、windows-PCからユーザーサイドで簡単に切り替えが可能な優れものです。

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<FlowTune 画面 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

今回のバージョンアップで、EL-FLOW Prestigeシリーズは、その内蔵しているマルチガスデータを拡充、好評いただいているオンライン・マスフロー及び物理量計算ソフトである FLUIDAT on the Net にアップされているガス種全てを網羅するという、素晴らしい進化を遂げるというのです!

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<FLUIDAT on the Net 画面 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

これは素晴らしいことです。
なぜならDecoが選ぶ究極のマスフローであるEL-FLOW Prestigeシリーズは、本来熱式流量計であるマスフローのコンバージョンファクター(CF)が、圧力・温度・流量レンジ・分流構造により影響を受けてしまい、一種類のガスに対して一対一ではなく、一対多、つまりマルチCFであるという弱点をカバーすべく、ハード側で測定した温度、圧力条件で自動補正してくれるグレードを有する、真の意味での実ガス流量に限りなく近い流量測定・制御が可能なマスフローだったからです。

そのマスフローにFLUIDAT on the Net の800種を超えるデータが搭載されるとすれば・・・まさに鬼に金棒!真の究極にまた一歩近づいた姿に進化することになるからです。

導入開始時期など詳細はこれから発表されると思いますが、楽しみにして待ちたいですね!

EZ-Japan MFCニュース by Deco

真・MFC千夜一夜物語 第262話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その9

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 

20189月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

ブロンコスト・ハイテックBronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用EX-FLOWTIIS認証本質安全防爆構造です。

ただし、本質安全防爆として認証されているのはEX-FLOWの流量発信器、つまりMFMのみであり、MFCは残念ながらTIIS認証を取ったソレノイドコイルが存在しない為に実現されていません。
誤解を招かないように説明すると、TIIS認証本質安全防爆構造電磁弁”は存在しています。
ただし、それは電磁弁でも閉止弁としての構造のものです。
Deco
もその仕組みを説明してもらったことがあります。

バリアで制限された電流でコイルに大きな磁力を発生する為に、電磁弁側回路にコンデンサーを用いて電流をため、開動作で消費電流が大きいモードに入る際に開放する素晴らしい仕組みでした。
しかし、通常動作時の電流消費が小さい閉止弁と異なり、常に開度を調整し続けるような使い方がメインの比例制御弁であるMFC用のソレノイドアクチュエーターに即転用できるとは思えませんでした。

 

では、折角のEX-FLOWシリーズを防爆構造のMFCとして使用する事は全く不可能なのかと、そうではありません。
MFM
としての、TIIS本質安全防爆構造のEX-FLOWはあるのですから、流量制御弁を何とかすればよいのです。
実はその解消アイデアは前回ご紹介したATEX本質安全防爆構造のMFCの形態から逆算していくと見えてくるのです。

 

TIIS認証防爆対応フローコントロールユニット

 

ブロンコストのEX-FLOW MFMTIIS認証本質安全防爆MFMとして使用する際に、その相棒と言える存在として(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールTSIP-002-CRを紹介しました。(下図に外形図)


第6図
 

前回の解説ではEX-FLOWと本質安全防爆ループを構成する部分、つまり本器の機能の触りだけを説明しましたが、今回は更に詳しく解説していきます。

本ユニットは TIIS認証本質安全防爆発信器(EX-FLOWのような流量発信器、圧力発信器等)に対応しており、TIIS 技術基準認証本質安全保持器(本安電源/電流リピーター)を内蔵しているので、発信器と直接接続することが出来ます。
このユニットの機能はそれだけではありません。

以下にその内容を記します。

 

【機能】

1. 各種本質安全防爆発信器へ本質安全電源を供給

2. 本質安全防爆発信器からの信号を TIIS 技術基準認証安全保持器経由で受信

3. 安全保持器で受信した信号を信号変換(電気的にアイソレーション)して非防爆機器(指示調節計)へ供給

4. 指示調節計で計測値を表示し、外部へ計測信号(420mA)を出力

5. 指示調節計から目標値(セットポイント)を設定可能(ローカルコントロール)

6. 指示調節計は PID 制御機能を有しており制御信号(420mA)を出力可能。この出

力信号で耐圧防爆構造操作端(調節弁、ポンプ、コンプレッサー等)を駆動することが出

来す。

7.指示調節計にはリモート/ローカル設定信号切替機能を有しておりリモート側へ切り替えることにより、外部設定信号 420mADCSPLCPC 等から)を受信可能(リモートコントロール)

8. 流量上下限警報出力機能

9. A/M スイッチを M(手動)にすることによって操作端への出力を設定可能。

例:調節弁の場合手動による設定信号で開度調節、又は全開、全閉が可能

 

57項にあるように、本ユニットはPID制御機能を有しています。
流量発信器からのPV値と本ユニット、もしくは外部入力からのSV値を比較して同値になるよう耐圧防爆構造の流量調整弁やポンプに対し、MV値を送って流量制御が可能なのです。
これはMFCが内部でやっている事と同じですね?
EX-FLOW
と本ユニットに、用途に応じて耐圧防爆構造流量調整弁やポンプを接続することで防爆構造のフローコントロールモジュールを形成できるのです。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第260話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その7

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20189

月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

さて、今回からブロンコスト・ハイテック(Bronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用マスフロー(MFCMFMの略語)のEX-FLOWシリーズを国内本質安全防爆で(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールの拡張機能であるPIDコントローラを用い、防爆仕様MFCとしての運用を解説しますね。

 

のっけから恐縮なのですが、本質安全防爆構造TIIS Technology Institution of Industrial Safety)認証(正確には“TIIS国際規格に整合した技術指針及び技術基準認証”)MFCは、残念ながら一体型のパッケージでのMFCとしては存在していません・・・

現在、ブロンコストがラインナップしているのはATEX本質安全防爆構造のものだけなんですね。(写真)

 

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<EX-FLOW MFCタイプ 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

なーんだ、とおっしゃらずに続きをお読みください。
これは多分に流量コントロールバルブに使用されるソレノイドアクチュエーターにその原因があります。

今回はまず、ATEX本質安全防爆構造のMFCを解説し、その後の連載でTIIS認証本質安全防爆MFMMFCとして流量制御を行わせるにはどうしたらよいかを説明していきたいと思います。

 

ATEX本質安全防爆構造MFC


ブロンコストのラインナップで一番特異なマスフローが危険場所での使用に対応した“EX-FLOWシリーズです。

TIIS認証国内本質安全防爆に対応したMFMを初めて世に送り出したのが、他ならぬオランダのメーカーであるブロンコストであった事からもわかる通り、「マスフローの日本国内規格に合わせた防爆規格取得」というニッチで特異な分野への挑戦を絶やさないメーカーさんです。

「利益の8割は、市場の2割で稼いでいるのだから、残りの市場に注力する必要は無い」とか、「選択と集中」等という言葉で経営を行っているメーカーなら、まず手を出さない分野です。
こういったニッチビジネスを重視していくのが、流量計・マスフローという決して杯の大きくない市場で生きてきたホンモノのメーカーが取る戦略だとDecoは思うのです。

だから、流量計・マスフローメーカーには中小企業が多いのかもしれませんね?

 

EX-FLOWMFCタイプに搭載されているコントロールバルブは、MFMと一体型(=MFC)としても、独立型(コントロールバルブユニット)としても供給が可能です。

このコントロールバルブユニットはMFCとしては一般的なソレノイドアクチュエーターを用いた比例電磁弁構造であり、高速応答はもちろんのこと、リフト量の大きな大流量制御に適したものです。

写真2
<コントロールバルブ 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

ブロンコストでは用途に応じて、上の写真にあるように左から標準的な直動型、定格圧40MPa70MPaといった高圧条件で最大差圧40MPa(d)に対応できる“Vary-P”バルブ、大流量向けのパイロットバルブ型を選択可能です。

本来コントロールバルブユニットは機械部品で構成されています。

電流を流すことで磁力を発生させ、バルブ開度を制御するソレノイドアクチュエーターのコイル部分のみが電気部品なので、危険場所で使用するに当たっては、防爆構造でなくてはならない箇所です。
これらのコントロールバルブは、防爆構造に対応する為にATEX防爆認定品のコイルを備えておりXBコイルXCコイル2つの選択肢があるのです。(下図)

第2図

 

次回に続く

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第259話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その6


もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20189

月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

 

・ユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュール

ブロンコスト・ハイテック(Bronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用マスフロー(MFCMFMの略語)のEX-FLOWシリーズを国内本質安全防爆で使用する際に、その相棒と言える存在が、(株)タテヤマ製作所 のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュール“TSIP-002-CRです。(写真)


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【出典:()タテヤマ製作所】

 

 前回ご説明しましたように、EX-FLOWはあくまで流量発振器であり、これだけではMFMとして信号を外部のPLC等とやり取りが難しくなります。
そこでTSIP-002-CRが必要となるのです。
本機 は TIIS 国際規格に整合した技術指針及び技術基準認証本質安全防爆発信器(流量発信器、圧力発信器等)」に対応しています。
TIIS
技術基準認証本質安全保持器(本安電源/電流リピーター)を内蔵していますので、本器を非危険場所に設置して、危険場所に置かれた発信器(この場合EX-FLOW)と直接接続することが出来ます。

下図で機器構成図を示します。

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EX-FLOWTSIP-002-CRを組み合わせて使用することで、初めてTIIS認証本質安全防爆MFMとなります。
マスフローでこれと似通った形態を採っているものは、唯一高温用分離型マスフローですね。
高温用マスフローが分離型となり、流量発信器から微弱な電圧信号を送る理由は80℃を超える高温領域に電子部品を置けない為でしたね?

安全性の要求ではありませんし、法的な制限もないのですから、危険場所へ点火エネルギーを送らない本質安全防爆仕様とは似て非なる背景の製品なのです。

 

因みにATEX/IECEx本質安全防爆で使用する場合は、ブロンコストにも同等の組み合わせが可能なE-8000シリーズがあります。
でも、日本国内ではTIIS認証を有する本質安全防爆構造が必要とされるのです。
その為の
TSIP-002-CRなのですね。

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今回はEX-FLOWと(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールTSIP-002-CRとの接続による本質安全防爆MFMとしての運用の解説でした。

次回はユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールの拡張機能であるPIDコントローラを用い、本質安全防爆構造防爆仕様MFCとしての運用を解説しますね。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第257話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その4

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 2018年8月号(7/25発売)では、特集記事のボリューム増で連載はお休みとなっております。
8/25発売の9月号からの再開をお待ちくださいね。

TIIS認証本質安全防爆マスフローを製造している Bronkhorst High-Tech B.V. (以下 ブロンコスト)は欧州における熱式&コリオリ式マスフローや圧力コントローラのマーケットリーダーです。
この業界では長い経験があり、高精度で信頼性の高い測定・制御機器を設計・製造しています。ブロンコストの多岐に渡る製品群はIP40ラボラトリー型、IP65インダストリー環境型、危険場所型、セミコン向け、分析機器向け等の幅広いラインアップで顧客の用途に合わせて造り込まれています。
今回紹介するのは防爆用=危険場所用のEX-FLOWシリーズです。

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<EX-FLOW 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

EX-FLOWシリーズは、危険場所でのガス流量測定向けの構造です。
本質安全防爆構造である熱式流量センサーと基板部は先んじてATEX/IECEx認証(Ex ib IIC T4 Gb)を取得し、更に2017年になってTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得しました。(労(平29年2月)検/検・第TC21584号) 
防爆に関しては、ブロンコストはオランダのメーカーである事から、当然ATEXを優先して取得しているのですが、これはATEXがEC指令 94/9/EC により、CEマーキング適合指令の一つとして、2003年7月より「強制(compulsory)」となった為でもあります。
ATEXはフランス語の「Atmospheres Explosibles」の意で、これまでのCEマーキング適合指令と同様に、これ以降は、EC加盟国域内で、製造、販売、流通、設置される爆発性雰囲気での使用を目的とした電気機器や災害防止システムは、規制の対象となっています。
その為、現在EUでは、CEマーキングに関するATEX指令(新指令2014/34/EU 94/9/ECの型式試験証明書は引き続き有効)に適合し、指定された表示のつけられた製品でなければ取り扱いが一切できないのです。

危険場所に近い観念として、ATEXではゾーンとカテゴリーで区分けしています 。
*因みに記載のあるGroup Ⅰの炭鉱用 は日本では“炭鉱防爆“として管轄省庁が経済産業省となり、前章で紹介した防爆=厚生労働省管轄の”工場防爆”とは別に存在しています。
日本の防爆でいう危険場所の定義と、ほぼ同様です。
ブロンコストのATEXでのEC-Type試験番号KEMA 01ATEX1172, protection II 2G Ex ib IIC T4 Gbとなり、下図に示す内容となります。

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 このIECEx / ATEX指令防爆対応EX-FLOWを、日本の防爆仕様に対応させるべくTIISへ申請し、やり取りを続けること数年がかりで、費用と時間を費やして、ついにTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得したそうです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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