EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

マスフロー

【新製品紹介】MEMSセンサータイプのコリオリ式マスフロー BL100シリーズ

久しぶりのEZ-Japan Decoのここでもうひと押し コーナーです!

 

ブロンコストは、従来のmini CORI-FLOWシリーズで、コリオリ式としては異例の微小流量化へ開発の舵を取ってきました。

 

これは大流量、プラント用がメインと思われてきたコリオリ式流量計の世界では、異端な出来事で、現時点で追従者はなかなかいない状況です。

従来のシリーズでの最小流量はM12ML120シリーズのフルスケール5g/hMFMで最小測定流量は0.05g/hMFCでの最小制御流量が0.1g/hでした。

これはコリオリ流量センサーをステンレスの細管で構成する上での最小流量と言ってよいです。

なぜならばこのレンジで使用するコリオリ式流量センサーの内径は既に0.25mmであり、これ以上のSUSの細管を独自の形状に曲げ加工してコリオリセンサーとして使用するのは不可能だと思えるからです。

 

miini CORI-FLOWのコリオリ式流量センサーの概略図を参照して下さい。

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<出展:youtube Bronkhorst チャンネル”mini CORI-FLOW Coriolis Mass Flow Meter, principle of operation”>


コリオリ式流量センサーの流量式を下図で示します。

既に本ブログでお馴染みの図ですね。

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回転系に発生する慣性力をコリオリ力として取り出す為に、振動系を構築すると、ある周波数で振動するU字配管に流体が侵入すると、その進路の垂直方向へコリオリ力が産まれます。

これには流体がある程度以上の密度が無い場合、流れによって生じるチューブの捻じれ振動数が、強制振動数に対してインパクトを生じないという弱点があります。

その為、微小流量の流体測定には、センサーチューブ自体の径を細くしていく必要があるのです。

ですが、前述の通りステンレス細管では既に限界と思えるサイズ要求であり、更なる微小流量用センサーを開発する上で大きな問題となっていました。

 

ブロンコスト社では、ここでMEMS技術を採用します。

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<出展:ブロンコスト・ジャパン(株)>

 
今までもMEMS技術で作られた流量センサーは数多くありました。

特に熱式ではMEMSセンサーが一つのムーブメントになったくらいです。

それに対してコリオリ式は、以前紹介したISSS社のものが先駆け的な存在ではあったものの、Decoの知る範囲では、今のところあまり存在していません。

  

今回、開発されたMEMSコリオリ式流量センサーは、BL100シリーズという新モデルに搭載されました。

 

新型MEMSセンサー搭載コリオリ式マスフローは更なる微小流量領域に踏み込み、マスフローメータで0.012 g/hのガスおよび液体の測定・制御を達成したとのことです。

これはどこの追従も許さないコリオリ式流量計としての最小流量記録をブロンコスト自身が塗り替えたことになり、すごいことだとDecoは考えています。

 

20191月末に催された国際ナノテクノロジー総合展、オランダ・ハイテク・パビリオンブースのブロンコストコーナーで日本初お目見えを果たしたBL100のデモ機を見せてもらいましたが、サイズ的には一般的なMFCのサイズなのですが、手に取った際のずっしりした重量感がすごく印象的でした。

今まで数多くのマスフローを手に取った経験があるDecoが、その重さに驚いたくらいなのです。

どうやらMEMS化したことで小型軽量化したコリオリセンサーへの外乱=振動影響を防ぐ為の工夫らしく、かなりの重量構造のフレームを採用しているようですね。

構造に関しては、情報が公開され次第、本ブログや計測技術誌の連載で取り上げたいと思っています。

 

 

現在、ブロンコスト・ジャパン()では、評価用デモ機を準備する用意があるとの事です。


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ただし、国産メーカーさんでよくあるような、「評価という名目でマスフローを1台、お客さんに置いていきますよ」ようなものではなく、お客様と守秘契約を結んだ上で最大6か月の評価貸出を行って頂き、その評価結果の開示が貸し出し条件になるとのことです。

 

興味を持たれた方は、Decoまでご連絡を!

早く実物の稼働風景を見たいものですね!

 

 

EZ-Japan ここでもうひと押し by Deco


真・MFC千夜一夜物語 第281話 マスフローでこのガスを使う時は注意しよう! その13

【お知らせ】

今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただく事になりました。(既に更新は4/23で終了しております。)

こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

 

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20195月号(4/25発売)ではブロンコスト(BronkhorstHigh-Tech B.V.のマスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の新製品(MEMS式コリオリ流量センサー他)をを紹介しています。

 

 

モノシランをマスフローで使う場合の注意事項 その2

モノシラン、そしてそれに準じる危険性を持つ特殊高圧ガスを使用するには細心の注意が必要です。
特にマスフロー(MFCMFMの総称)の配管作業時には、外部リークを発生させないように、細心の注意が必要です。

フェイスシールタイプ(VCR®UJR®等とメーカーで呼称)はメーカーの規定する“手締め+1/8回転”といういささか頼りない締め付けに不安になり、さらに締め付けようとするユーザーを何度か見てきました。

それによりビード部に傷をつけてしまい、却って外部リークが止まらず泣きを見る人が少なからずいます。
ビード部を損傷すれば、昨今のマスフローでこの種のオスネジを削り出しで加工している製品ならば、単純な継手交換だけでなく、フランジ又は本体ボディ交換というかなりコストと手間のかかるシャレにならない事態になってしまいます。
また、ガスケットの再利用は厳禁です。
メタルタイプフェイスシールは、いわゆるメタルシールと同じなので硬度こそ違いますが、ビード部とガスケット、つまり金属と金属が押し付けられてシールをしているのですから、一度使用したガスケットには傷がついてしまっているのです。

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Oリングシールタイプのフェイスシールタイプ継手、メーカーで呼称するところの”VCO”は、日本ではほとんど普及していませんが、非常に使い勝手のいい継手で、ヨーロッパでは結構使われています。
フェイスシールタイプのガスケットに当たるところが、樹脂製のOリングになっているのが特長です。
この場合は、メタルシールのような削り出しのものはほとんどなく、食い込み継手と同じくマスフローボディの直管ねじ(UNFやBSPP)に継手コネクターがねじ込まれて、Oリングでシールされていますので、前回のお話ししたのと同じく、マスフロー側の固定にも留意してください。

横着はせずにスパナ2本でしっかり固定と締め付けを行うべきです。


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マスフロー、特にMFCでのモノシランが反応して生成したSiO2でのセンサー詰まりは恐ろしい結果を産む可能性がある事は既に解説しました。
Deco
の経験ではシラン系ガス用のMFCが修理で返却されてくると、バルブオリフィスや層流素子に白い粉が詰まっていることがよくありました。
これはどこかに酸素と反応した生成物が発生するポイントがあるということです。
大まかに分類すれば、それがMFC下流側である場合は、二次側の継手とバルブ部分が、上流の場合は一次側の継手と層流素子に白い粉が付着しているます。(センサーも詰まっているはずですが、内径1mmに満たないチューブの中身を目視は難しいので、出荷時の圧損と比較して詰まりの有無を診断するしかないのです。)
もちろんMFC自身の外部リークによる可能性もあるのだが、このトラブルに関しては経験上、マスフロー以外の配管系にその発生源があったことが多かったですね。

センサーの流量出力が実流量よりダウンしてしまうと、MFCは設定値より多くガスを流し始めます。
装置側のビルドアップ(ROR)等で定期的にMFCの流量を検証して、流量制御状態を把握しておく必要があるのです。だが、このトラブルは異物の詰まりという外的要因の性質上、いきなり発生することもあり得ます。
そうなるとリアルタイムでの流量検証が重要とされ、MFCの流量をMFMでモニタリングするという手法もよく用いられました。
だがこのMFMと監視対象のMFCの動作原理が、ともに熱式で分流構造をとっている場合、同じように異物の混入影響が発生する可能性もあります。
同じ熱式でも分流構造のものと全量測定構造のものを組み合わせるなどの工夫が必要になってくるところですね。(全量測定のものに、メタルシールモデルは今のところありませんので、難しいところですが・・・)

 

半導体製造プロセスで使用される機会が多い特殊高圧ガスに関して、代表例としてモノシランを取り上げ、事故事例とマスフローで使用する上での注意事項を解説してきました。

人間にとって安全なガスは大気圧の空気だけです。
窒素や酸素ですら牙をむいてくるのです。
ましてや特殊高圧ガスは空気中に漏らしただけで発火したり、支燃材なしで分解爆発するガス、そしてアルシンのようにきわめて毒性が強く、微量のガスを短時間(LCL0 25ppm/30min)吸引しただけで命を落とすガスもあります。
できれば避けて通りたいようなガスばかりなのです。

職務や学業で携わる事になった方は、“特定高圧ガス取扱主任者 特殊高圧ガス“資格を取得されているかと思いますが、もし未取得ならば、是非取得をお勧めします。
 
特殊高圧ガス以外にも圧縮水素、圧縮天然ガス、液化酸素、液化アンモニア、LPガス、液化塩素と合計7種類に分かれていますので、詳細は高圧ガス保安教会まで問い合わせて下さいね。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第279話 マスフローでこのガスを使う時は注意しよう! その11


EZ-Japan4/27()5/6(月)までGW休暇を頂きます。従って次週4/30のブログ更新はお休みを頂きます。再開は5/7()からとなりますので、宜しくお願いいたします。

 

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20194月号(3/25発売)ではマスフローコントローラ(MFC)マスフローメータに異物が混入した際のトラブルシュートを解説しています。

 

 

モノシランが引き起こした事故事例 その2

 

もう一つモノシランの事故事例を解説しましょう。
前回の大阪大学の事故は逆止弁が問題でしたが、今回はMFCが原因の一つと考えられているだけに、要注意です。

1982年、宮崎県の半導体製造工場で、CVD装置の排気ダクトに残留したモノシランが発火し、ダクトから建造物に燃え広がる事故が発生しました。
重傷2(1名は後日死亡)、中軽傷3名の事故となっています。
CVD
装置のモノシランラインのMFCが流量を過大に供給したことにより、CVD装置チャンバーで反応できなかった多量のモノシランが、後段にある排ガス処理装置へ流れ込みました。
しかも、その燃焼式除害装置に供給される筈の酸素はなぜか止まっており、結果として未処理のモノシランが除害装置の更に下流のダクトに侵入し、そこにあった空気と反応して自然発火したのが原因とされています。
この事例ではダクトの材質を不燃材にする、排気ダクトの共通化を避け1装置に1ダクトとする、ダクトに風速センサーを設ける、火災検知センサーを取り付ける等の対策が取られました。


本ブログとしてはMFCが過大なモノシランを流したと言われていることに関して、Decoの考察を加えておきます。
この事件でMFCの流量センサーが微粉末による閉塞をしていたと推定されています。
MFC
の流量センサーが閉塞して流れないのに、なぜ過大な流量が流れてしまったのか?本ブログを続けて読んでいる読者ならすぐわかるかもしれませんが、初読の方の為に説明をしましょう。
モノシランに限らず、半導体製造プロセスで使用するガスはクリーンなものが選定されていますし、フィルターにより異物の混入を幾重にも防ぐ構造になっています。
なのに微粉末がMFCに侵入していたというのは、おそらくはモノシランが反応して生成したSiO2ではないでしょうか?
この微粉末がMFCに侵入しセンサーチューブを閉塞させている状況を図で示します。

 

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巻線式分流構造をとる半導体製造装置用MFCの場合、MFCに入ってきたガスはセンサーと層流素子(バイパス)に分流されます。
ここでセンサーに異物で詰まりが生じていた場合、センサー管にはガスは流れないので、センサーの上流から下流に熱移動が生じず出力は0となります。
分流した層流素子側の流路は詰まりでガスが流れ無いほどの状況ではなかったと仮定しましょう。
MFC
測定値:PV値(流量出力)<目標値:SV(流量設定入力)の状態をPV=SVにする為に、操作量MV(バルブ電圧)を増やして対応しようとします。
しかし、詰まりで閉塞しているセンサー管には流れは生じませんから、PV=0の状況は変化しません。
その為、MV値は最大値となってバルブを制御、つまりMFCの流量制御バルブが全開で維持されてしまうのです。

これがこの事故で生じたMFCの異常に過大な流量制御を起こした不具合の原因と思われます。言い換えると、この事故の原因はMFCに生じた不具合ではありますが、MFCの流量制御系自体は“正常な動作”を続けた結果だったのかもしれません。

(Deco
が現場を検証したわけではないので断言は避けます。
これはあくまでMFCのセンサー管が微粉末で詰まった場合、“MFCとしては正常な流体制御結果”から、モノシランガスでは大きな危険が発生することを説明し、注意を喚起するための考察です。)


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第278話 マスフローでこのガスを使う時は注意しよう! その10


もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20194月号(3/25発売)ではマスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータに異物が混入した際のトラブルシュートを解説しています。

 

 

<モノシランが引き起こした事故事例>


特殊高圧ガス恐ろしさの代表例としてモノシランを取り上げましょう。
Deco
がマスフローの営業でデビューしたころに安全教育で必ず取り上げられたガスがモノシランでした。
シラン系ガスは半導体、太陽電池、光ファイバーなどの製造プロセスでよく用いられていますが、前回ご説明したとおり、常温で大気に放出され空気に触れると発火する危険性を持っています。
よく勘違いされますが、モノシランを窒素などで希釈して濃度1%未満の混合ガスとして使用しても、その特性は同じです。
「希釈してあるから安全」とは考えない方がいいガスです。
また、リーク箇所から早い流速で漏れ出したモノシランはいきなり燃えずに空気に混合し、その後に激しい爆発を起こすこともある厄介な性質を示します。

 

モノシランの悪名を知らしめたのは、1991年に発生した大阪大学での爆発事故でしょう。
プラズマCVD装置で実験中にモノシランの容器が突然爆発し、飛散した容器の破片で死者2名、軽傷者5名の人的被害と、都市ガスおよび有機溶剤に引火し火災が発生したことで4教室(300m2)を焼失してしまいました。
当時モノシランの外部リークによる発火の危険性は既に国内で事故事例がありましたので、事故が起きた研究室でも容器をシリンダーキャビネットに入れ、その内部を常時排気して除害装置に導かれるようにしていました。事故原因は同じシルンダーキャビネット内にあった亜酸化窒素とモノシランの混合でした。下図で問題の生じたフローを示します。
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(
今回の説明に必要な部分だけ摘出して図示したものなので、事故が生じた配管系のすべてを網羅したフロー図ではありません。)


モノシランと亜酸化窒素は装置への供給系では交わらないように設計されていましたが、両ガスの窒素パージラインだけは配管を共有しており、逆止弁とボール弁で亜酸化窒素がパージラインには流れ込まないように設計されていました。
亜酸化窒素側の逆止弁の内部構造部品であるOリングが何らかの原因で破損した為に逆止弁が本来の機能を果たしてなかったのではないかと推測されています。

亜酸化窒素が窒素パージラインを通じてモノシラン容器直近に到達して混合し、バルブ操作で生じた断熱圧縮、もしくは静電気で着火し、炎がモノシラン容器に到達し爆発したのではないかというのが調査の結論でした。
逆止弁のメンテナンスは当然必要ですが、根本的に反応することで危険な状況を作り出すガスがパージラインといっても同じ配管でつながれていたことが根本問原因であり、この事件を省みて、以降は法令で禁止されるようになったのです。

 

この事件を通じてモノシランの危険性が認識されるようになり、半導体の層間絶縁膜CVD用途でもモノシランの代替も進みましたが、やはりこのガスの需要は多くあります。

十分な知識がないままに機器選定や配管施工、そして設備導入や運用を行うのは大変危険です。

優秀で前途のある学生さんが命を落としたというこの悲惨な事件の記憶は、風化させてしまってはいけません。
ガス系の仕事に携わるものとして、常に自身とお客様、協力会社さんが危険と向き合っているという認識を忘れないようにしたいとDecoは常に思っています。
 

 【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第275話 マスフローでこのガスを使う時は注意しよう! その7


もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20194月号(3/25発売)ではマスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータに異物が混入した際のトラブルシュートを解説しています。

 

アンモニア(NH3)

アンモニアは可燃性、有毒ガスですが、半導体製造装置、窒化炉、発電設備、脱硝装置、石油精製装置の防食、イオンエッチングプロセスなど各種工業用途で広く用いられています。

ボンベの色は白色と決められています。

アンモニアは20℃での蒸気圧が0.857MPaの液化ガスです。
液化ガスと通常ガスとの大きな差は、液化の字のごとく液化ガスボンベには圧縮した液体と化したアンモニアが封入されていて、それがボンベ内で気化したガスを供給する仕組みであることです。(下図)


第5図

 

  ボンベに充填された液体アンモニアが内部で気化して気体となった際に得られる圧力は、常温で0.8MPaあればいいところです。

しかも液体アンモニアの蒸発潜熱は1268 KJ/Kg0℃、1013hPa)も必要である為、アンモニアを大量にボンベから払い出そうとすると、ボンベが熱を奪われてしまい、急激に温度が下がることで、ガスの供給圧力を失ってしまうのです。
例えばアンモニアをMFC下流側に0.2MPaの背圧が立つ条件で500L/min[N]流量制御したい場合、通常のMFCだと最低でもMFCへの供給圧は0.5MPa程の圧力をとってやる必要があります。
MFC
での圧力損失=ΔP0.3MPa必要になります。
これはあくまでMFCの入口/出口部での差圧ですから、ボンベからチャンバーまでの配管経路にある他の配管部品、バルブやフィルター、そして配管の曲がり等により生じる圧力損失を考慮すると、アンモニアボンベからの供給圧はさらに高く維持しなくてはならなくなってしまいます。

供給圧を上げるには、液化ガスである限り温度を上げて蒸気圧を稼ぐしか術はありません。
手っ取り早い話、ボンベの温度を上げればいいのですが、高圧ガス保安法では可燃性ガスのボンベを火や電気で直接温める行為が禁じられているので、間接的な手法である湯煎しか方法はないのです。
案外、このことを知らずにアンモニアボンベを市販の非可燃性ガス専用ボンベーヒーター(マントルヒーターやシリコンラバーヒーター)を用いている現場があるかもしれませんが、法律の順守を意識して下さいね。
確かに湯煎は設備も大掛かりになり大変であり、そういった意味ではできるだけ低い圧力でアンモニアを供給したいのが本音です。

 MassStream_03
【出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

ここで紹介するブロンコスト社のMFC MASS-STREAM D-6371は、先ほどの二次圧0.2MPaの条件に対して、なんと一次圧は0.2386MPa500L/min[N]のアンモニア流量制御ができる低圧損大流量MFCです。

MFCの圧力損失はわずか38.6kPa(d)
まさにアンモニアのような液化ガスを大流量制御するためにあるようなMFCです。

なぜこのMFCはこんなに低圧損で大流量制御が可能なのか?それは流量センサー構造の差です。

以前の記事でも取り上げたので記憶している方も多いかもしれませんが、MASS-STREAMシリーズの流量センサーは、インサーションタイプなのです。

詳しい解説は次回・・・


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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