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EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

マスフローメータ

BRIGHTはいいですよ!

今回ご紹介するのは、ブロンコスト社(Bronkhorst High-Tech B.V.)のマスフロー(マスフローコントローラ&マスフローメータの総称)用表示設定モジュール”BRIGHT"シリーズです。

EL-FLOW Prestige にBRIGHTを装着した写真 ↓
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<出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

「えー、これってマスフローに表示器が付いてるだけでは?」という第一声をよく聞くのですが、これが優れモノなのです。

BRIGHTは確かにマスフローの別付け流量表示&流量設定ユニットです。
ACアダプターに当たる”PiPS"とセット購入いただくことで、マスフローの瞬時/積算流量表示、瞬時/積算警報出力、流量設定(MFCのみ)が利用できるようになります。
つまり、マスフロー専用電源や表示器、設定器は不要になるのです。
マスフローという製品は、スタンドアロンで使えないイメージがあるのですが、このキットを使えば大丈夫です。

表示設定機能付きマスフローは他にもありますが、BRIGHTの優れたところはマスフローのボディと一体型ではないので、その分、大きくて美麗なTFT画面で視認性が非常に良い事、そして直観的な操作を可能にする、わかりやすいキー配置もよいところに挙げられます。

ブロンコストのマスフローほとんどに対応できることも大きなメリットです。
EL-FLOWシリーズのようなIP40対応、IN-FLOW,CORI-FLOWのようなIP65対応、それぞれに合わせたコネクター仕様が準備されています。
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<出典:ブロンコスト・ジャパン(株) 図作成:EZ-Japan>

そして何より大きな利点でありながら、お客様に認知されにくいBRIGHTの利点は、本体のマスフローとRS232通信で表示、操作の信号のやり取りをしている事です。
この事の恩恵は色々あります。
例えばアナログの表示器では面倒であったスケーリング変更作業です。
5000SCCM から 20.0SLMへのスケーリング変更は、表示器のフルスケール値や小数点位置を変える作業が必要でしたが、BRIGHTでは必要ありません。
マスフロー(もちろんブロンコスト製品に限ります)+BRIGHT+PiPS を接続して、100VACから給電すれば、通信が確保され立ち上がった時点で接続したマスフローの仕様を読み込んでBRIGHTは表示スケーリング作業をオートでやってくれるのです。

この説明をある先生の研究室でしたところ、「Decoさん!これは便利だね!!」と先生はすぐBRIGHTの利点に気が付かれました。
研究用途でマスフロをお使いの場合、研究室のすべてのマスフローが常時設置されて稼働している事は少なく、実験で必要な仕様(ガス、流量、圧力)に応じてマスフローを保管庫から出してこられて、それを表示器、設定器等のアクセサリーを接続されて使用されます。
そのマスフローの仕様に合った電源、流量表示器、設定器、ケーブルを用意しなくてはならず、もし何らかの理由で表示器が欠品していた場合は、基準電圧信号、例えば5VDCを入力してスケーリングをマスフローが30SLMならば、30.0という風に合わせこまなくていけませんでした。
こういった複数のアクセサリーの管理は煩雑になりがちです。

でも、BRIGHTは、IP40/IP65仕様でのコネクターの差こそありますが、そこさえ合っていれば極論すれば1台のBRIGHTを複数の違った仕様のマスフローに接続して、すぐ使い始めることができるのです!
これは定置型でないマスフローの使い方が多い研究室などや、工場でもラインに設置されたマスフローの点検校正に基準マスフローをお使いになるような用途では本当に便利な機能と言えます。
しかも、ブロンコストのマスフローをデジタル通信でPCと接続してできる機能のほとんどをBRIGHTで代行することができるのです。

BRIGHTシリーズの中でもB2とB4はオプション取付キットが充実しているので、下図のようにマスフローから離して配管に取り付けることも可能です。
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<出典:ブロンコスト・ジャパン(株) 図作成:EZ-Japan>

マスフロー自体が視認できない設置場所の場合に有効ですね。(延長ケーブルはRS232通信の関係で1m程ですが。)

マスフローの制御はPLC等で遠隔で行うのだが、現場で流量や警報の確認をしたいという用途でもお役に立ちます。
特にIP65対応のマスフロー(IN-FLOWやmini CORI-FLOW)とBRIGHT B3&B4の組み合わせなら、ある程度の粉塵防水性能を必要とされる現場でも使用可能です。

どうですか?
なかなかの優れもののBRIGHTシリーズ、お問い合わせはEZ-Japanまで!

EZ-Japan ここでもうひと押し by Deco

フィールドバス対応マスフローとはいったい? その2


 そもそもマスフローに対するフィールドバスとは、どういった役割を果たしているのでしょうか?

この質問に正確に答えられる人は、あまりいないかもしれません。

 

少し前によく聞いたのは、以下のやり取りです。

「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは性能がいい。」 

答) × マスフローとしての基本性能は変わりません。

 

「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは通信速度が早くて、大量のデータが送れる。」 

答) △ ネットワークとしては早いですが、そもそもマスフローの熱式流量センサーはいたって遅いセンサーですし、SV値に対するPV値とMV値以外に特にやり取りすべきコマンドは存在していないので、大量のデーター通信は不要です。

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「フィールドバス = DeviceNetに対応できていないマスフローは、世界的にガラパゴスな存在になってしまう。」

答) × 前回の市場シェアグラフ(出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018を見る限り、産業用イーサーネットの躍進を見ると、むしろ逆かもしれませんね。

 

フィールドバスは、そもそもマスフローと何との間を取り持とうとしているのでしょうか?

答えはPLCです。

PLCとはProgrammable Logic Controller の略称で、シーケンサーとも呼ばれます。
ただ、シーケンサーは、三菱電機()の製品名ですので、一般的な機器を指す場合はPLCと呼称した方が良いでしょう。

PLCが何をするものか?というと、簡単に言えば「要求された入力内容に従って、予めインプットされたプログラムを動かし、接続された機器(マスフロー等)へ動作指示を出力する役割を果たす機器」です。

装置の自動制御に特化したコンピューターのようなものと考えればいいでしょう。

で、そのPLCは単独では何もできない箱ですので、多数の機器と接続することになります。

その一例がマスフローですね。

マスフローへ設定指示(SV値)を送る場合、マスフローの流量信号(PV値)を読み出す場合、このPLCとマスフローの間で共通言語が必要になります。

これがフィールドバスです。

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例えるなら、サッカーチームの監督がドイツ人で、ドイツ語で指示をするのに、選手が日本語しかわからなかったら、指示は伝わりません。

ミーティングで選手からの日本語での情報も監督には全く伝わりません。

それではチームは機能しませんね?

 

PLCがアレンブラットリーやオムロンならば、DeviceNet で対話するのをルールにしていて、シーメンスならProfibus、三菱電機ならばCC-Linkといった具合に、PLCメーカーは自らの製品に対応するPLCを決めています。

 

「えっ、それってPLCメーカーの数だけ、フィールドバス対応品をマスフローメーカーは開発しなきゃいかんの?それにどんな意味があるの?」 


こんなセリフを十数年前にDecoはフィールドバスの説明に来てくれた業界の友人に投げかけたのでした・・・・

 

<つづく>

 

マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第263話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その10


もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 201810月号(9/25発売)ですが、マスフロー千夜一夜物語は誌面都合で休載です。

11月号をお待ちくださいね。

 

まずは下の図を見てください。

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この組み合わせは、タイトルにあるようにMFM部は本質安全防爆ですが、流量調整弁やポンプに対しては、あくまで耐圧防爆構造のものを選択しています。

賢明な皆様には既にこの構成が 本ブログの第261話 ”マスフローに防爆仕様は存在するの? その8” で取り上げたATEX本質安全防爆構造のEX-FLOW MFCタイプと似通った構成である事に気が付かれたでしょう。
そもそも流量センサーと流量制御バルブ、そしてPIDコントローラを一体化したMFCという形態は、本質安全防爆が必要な危険場所では存在し得ないのです。

なので、ブロンコスト自身は流量発信器のTIIS認証に特化し、ユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュールの開発は計装技術に造詣の深い()タテヤマ製作所に委ね、流量制御弁やポンプは複数の国産メーカーでリリースされている耐圧防爆構造の既存品を顧客の必要としているプロセスに応じて組み合わせてもらうというブロンコスト・ジャパン()の戦略は、市場の現実をよく見据えた鋭いものであると思えてきます。

TSIP-002-CREX-FLOWを流量発信器として本質安全防爆ループを形成する相棒ですが、そのパートナーはEX-FLOWには限りません。
TIIS
認証本質安全防爆発信器ならば、他の測定方式の流量発信器でも、または圧力発信器でも構わないのです。
圧力発信器を用いれば、本質安全防爆構造圧力センサーとなり、更に流量調整弁を接続すれば、APCAutomatic Pressure Controller)を形成することもできます。
APC
の場合、圧力発信器の位置が容器の上流か、下流かによって容器の入口圧制御/出口圧制御と役割が変わる性格があるのは、以前ご説明したと思います。
センサー部とバルブ部が一体型のMFCのような形はAPCとしての汎用性をスポイルしてしまうので、このようなセンサー部と制御バルブの配置を固定されないスタイルが市場では歓迎されるとDecoは思います。

 

連載10回をかけてマスフローでの防爆の解説とブロンコスト・ジャパン()の新製品 本質安全防爆構造MFMEX-FLOW”、そしてコンビを組む(株)タテヤマ製作所のユニバーサル・ワンループ・プロセスコントロールモジュール“TSIP-002-CR”との接続による本質安全防爆構造MFMとしての運用、その応用編としてフローコントローラへの拡張の可能性の解説を行ってきました。

今までと異なり、防爆に関してグレーゾーンは少なくなってきています。

TIIS認証品が無いので、代わりの方法で…というのは通りにくくなり、TIIS認証品で構成する事を例外なく求められるようになると思えます。
そういったタイミングでTIIS認証本質安全防爆防爆構造MFMが世に出たのは必然だったのかもしれません。

防爆に限らずワールドワイドでビジネスを展開する際に、必ず各国でのローカル規格認証の問題が付きまといます。
もちろんメーカーは、それらを尊重してビジネスを展開していかなくてはならないのですが、国々の規格への個別対応には当然コストと時間を必要とします。
これがメーカーの負担になっている事は否めません。

しかし、安全規格の場合、それは即ち人命にかかわるものなのだから、緩和、国際共通化していくには難しい側面もあるかもしれません。
でも、ローカルルール化が過ぎたレベルになり新規参入を拒む障壁になってしまうのも避けたいところで、悩ましいところですね。
今回のオランダのマスフローメーカーであるブロンコストのTIIS認証取得が、良い意味での”ペリーの黒船“になってくれればとDecoは思っています。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第261話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その8


 もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 
20189月号(8/25発売)では、マスフローコントローラ(MFC)、マスフローメータ(MFM)の流量校正に関する解説です。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

ブロンコスト・ハイテックBronkhorst High-Tech B.V. 以下ブロンコスト)の防爆用=危険場所用マスフローコントローラ(MFCEX-FLOWにはATEX本質安全防爆構造MFCが存在します。

このMFCタイプのEX-FLOWは、見かけ上は一体型のMFCに見えても、MFCに必要な制御基板はそこにはありません。
本質安全防爆構造を採る故に、危険場所に電気エネルギーを極力供給しないようにするためです。
マスフローメータ(MFM 本質安全防爆構造の場合、正確には流量センサーのみなので、流量発信器)とコントロールバルブは、非危険場所に設置したPID制御基板を内蔵したバリア付き電源・リードアウトシステムE-8000に各々独立したケーブルで接続されることで、防爆構造流量測定&制御ループが確立するようになっているます。

 

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つまり、EX-FLOWMFCタイプは、MFCのブロックの上にATEX本質安全防爆構造の流量発信器と、ATEX認証品コイルを採用したコントロールバルブを便宜上同居させているだけなのです。
外部から設定信号を受け、本体内の流量センサーから出力される流量信号と同値になるようコントロールバルブの制御を行う機能をワンパッケージ化したものがMFCならば、厳密にはMFCと言えないかもしれませんね。

必ずE-8000との組み合わせで本質安全ループを組まない限りは、意味が無いのです。
下図で本来のMFCの機能をどう分割しているかを、図示してみました。

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ブロンコストのEX-FLOWATEX本質安全防爆MFCシリーズは、前回連載で紹介したMFMと同じく、幅広い流量・圧力レンジへの対応が可能です。

<ブロンコスト・ジャパン(株)HP EX-FLOWのページへ>


本質安全防爆構造が求められる部分が流量センサーとソレノイドアクチュエーターコイルに絞られる為に、MFCのその他のメカ部分は従来品とほぼ同様です。

そのお陰で本質安全防爆構造でありながら、幅広い流量、特に大流量サイドでは、500m3n/h(n=ノルマル:0℃、1013hPa基準)という流量に対応できています。

ただし、前述のとおりあくまでATEX本質安全防爆構造であるために、いくら性能的にも仕様的にも優れた製品であっても、日本国内での防爆用途で使用することは難しいかもしれません。

この問題の解消の為のチャレンジが、TIIS本質安全防爆認証”取得だったのですね。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第257話 マスフローに防爆仕様は存在するの? その4

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 2018年8月号(7/25発売)では、特集記事のボリューム増で連載はお休みとなっております。
8/25発売の9月号からの再開をお待ちくださいね。

TIIS認証本質安全防爆マスフローを製造している Bronkhorst High-Tech B.V. (以下 ブロンコスト)は欧州における熱式&コリオリ式マスフローや圧力コントローラのマーケットリーダーです。
この業界では長い経験があり、高精度で信頼性の高い測定・制御機器を設計・製造しています。ブロンコストの多岐に渡る製品群はIP40ラボラトリー型、IP65インダストリー環境型、危険場所型、セミコン向け、分析機器向け等の幅広いラインアップで顧客の用途に合わせて造り込まれています。
今回紹介するのは防爆用=危険場所用のEX-FLOWシリーズです。

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<EX-FLOW 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)>

EX-FLOWシリーズは、危険場所でのガス流量測定向けの構造です。
本質安全防爆構造である熱式流量センサーと基板部は先んじてATEX/IECEx認証(Ex ib IIC T4 Gb)を取得し、更に2017年になってTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得しました。(労(平29年2月)検/検・第TC21584号) 
防爆に関しては、ブロンコストはオランダのメーカーである事から、当然ATEXを優先して取得しているのですが、これはATEXがEC指令 94/9/EC により、CEマーキング適合指令の一つとして、2003年7月より「強制(compulsory)」となった為でもあります。
ATEXはフランス語の「Atmospheres Explosibles」の意で、これまでのCEマーキング適合指令と同様に、これ以降は、EC加盟国域内で、製造、販売、流通、設置される爆発性雰囲気での使用を目的とした電気機器や災害防止システムは、規制の対象となっています。
その為、現在EUでは、CEマーキングに関するATEX指令(新指令2014/34/EU 94/9/ECの型式試験証明書は引き続き有効)に適合し、指定された表示のつけられた製品でなければ取り扱いが一切できないのです。

危険場所に近い観念として、ATEXではゾーンとカテゴリーで区分けしています 。
*因みに記載のあるGroup Ⅰの炭鉱用 は日本では“炭鉱防爆“として管轄省庁が経済産業省となり、前章で紹介した防爆=厚生労働省管轄の”工場防爆”とは別に存在しています。
日本の防爆でいう危険場所の定義と、ほぼ同様です。
ブロンコストのATEXでのEC-Type試験番号KEMA 01ATEX1172, protection II 2G Ex ib IIC T4 Gbとなり、下図に示す内容となります。

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 このIECEx / ATEX指令防爆対応EX-FLOWを、日本の防爆仕様に対応させるべくTIISへ申請し、やり取りを続けること数年がかりで、費用と時間を費やして、ついにTIIS認証(Ex ib IIC T4)を取得したそうです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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