随分ご無沙汰した”Decoのマスフロー徒然日記”です。

10年で2度目の”死にかけた”体験をしまして、さすがのDecoも懲りたのですが・・・
いや、ほんとに嫁さん始め家族、担当医さんや看護師の方々のお陰で命を拾い、またこうしてブログを書いたり、皆さんからのご相談をお受けしたりできる環境に戻ってこれてよかったと実感しています。

さて、皆さんからのご相談で、「マスフローコントローラー(MFC)が思ったように制御できてない。」というものが、たまにあります。
他のご質問、例えば”ゼロずれ”や、”バルブの詰まり”と言う明確な悪者がMFC内部に存在(自責他責は問わず)するご相談と異なり、なかなかこのご相談内容に的確な回答をさせて頂くのは難しいのです。
なぜならMFC本体の問題ではない要素、例えば設定信号(SV)が適切ではない場合、真・MFC千夜一夜物語 第331話 MFCの応答性 その7 でお話ししたような急激にSVが変化するような制御をしようとされていたり、あるいはライン切り替え時、ボンベレギュレーターの払い出せるガス流量の一時的な不足から生じる一次圧降下がもたらす圧力変動影響、ニードルバルブの圧損増大による流量低下等が絡んでいる為に、メールでMFCの情報を貰っただけではなかなか真因がわからない事が多いからです。

若いメーカー社員さんだと、そういったMFCへの信号系や配管周辺機器の振る舞いに対する知識が無い状態で、自社製品の事だけを考えてしまうと、もうお手上げになってしまうのではないでしょうか?
かくいうDecoも、営業でデビューした頃は全く分かりませんでしたから、お客様の相談やクレームに顔が青くなるばかりでした。

自社の技術者で詳しい人に教えてもらえたらいい方で、下手すると現場で泊まり込みに近い状態で、ああでもないこうでもないとお客さんと試行錯誤を繰り返した事もありました。
きつかったですが、そういった経験を重ねた結果、色んな知見を吸収できたのは幸せだったと思います。
今はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)で、お客さんと接触する方法が間接的な手法に急激に移行しつつありますから、更に大変かと思います。
でも、逆に言えば、今はWeb-MTGで複数人で問題の解を議論したり、動画やデータを取ってもらって、ネットを通じて共有できるという利便性がとんでもなく向上していますから、要はそれらをうまく活用して、正解を導き出すことができればいい訳です。

Decoは、MFCでの流体制御の世界は”覆水盆に返らず”だと思っています。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、MFCが流量センサーからの信号(PV)と外部からのSVを比較して、SV=PVとなるように流量バルブ制御信号(MV)を可変させるという流体制御を行う限り、流量センサーで測れない位置、又は流量制御バルブで増減できない位置 つまりMFCの下流にいってしまった流体をMFCはどうすることもできないのです。
そのことを何か困った事があった際は、思い出して頂けると良いのではないかと思ってます。
201020_03

はい、何やらまたつらつらと書いてしまいましたが、DecoのDecoのマスフロー徒然日記でした。

Decoの徒然日記 EZ-Japan Deco