EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

圧力影響

前?後?どちらが正しいの?

MFC豆知識です。
最近、Web-MTG等でご質問頂く内容で、これは!っと思ったものをご紹介しておきますね。

マスフローコントローラーの場合、機器の構成は以下の図のようになっているものがほとんどです。
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上流に流量センサーがあって、その下流に流量制御バルブという構成です。
ですが、よく見るパージメータの世界で多いのも・・・
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やはりバルブは下流にあります。(上部ニードル配置と言い、逆にバルブが上流にいる下部ニードルと言う配置もあります。
計装の世界では逆に流量調整バルブが前で、流量計(マスフローメーター=MFM)が後ろと言う場合もあります。

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「前か?後か?どちらが正しいのでしょうか?」
先日、このようなご質問を頂く機会がありました。

答は、「どちらでも良いのですが、気を付けて頂きたい点がございます。」となります。

流量計はどこで流れている値を読みたいかによりますので、流量計の設置はその原則で配置すべきです。
ですが環境条件によってはその配置を取る事で、流量計の測定結果にある影響が出る可能性があることを考慮しなくてはなりません。

原則として流量計を置いた側の圧力影響や流路形状による影響を流量センサーは強く受けるとお考え下さい。
例えば流量計(MFM)が下流にある場合です。
流量計の二次圧が大気開放ならば問題はありませんが、例えば真空の場合にはまずい場合があります。特に熱式の流量センサーを搭載したMFMで分流測定構造を採っているものです。

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真空、Decoがデータを取ってもらった際は-30kPaを超えた辺りから流量出力に繰り返し性が無くなったのを記憶しています。
これはガスが希薄になる影響を受けて、センサーチューブと層流素子(バイパス)との間の分流比が変動を始めるせいではないかと推論しています。
この影響はインサーションタイプやMEMSタイプで全量測定タイプではまだ起きにくい傾向があります。
ただ起きにくいと言っても流路のガス原子が希薄になる事で値自体に変動は生じてきますが、圧力依存特性として、まだ補正値で管理できる範囲でした。

このような流量センサーの場合、流量センサーは前に置き、流量制御バルブで真空と仕切ってしまう配置がベストでしょう。
MFCがまさにこの配置を取る事が多い理由は、MFCの販売対象業界が半導体製造装置向けで、MFCの二次側は装置のチャンバーであり、そこは高真空に設定されることが多いからなのです。

逆に加圧系の装置ならば、流量計を流量制御バルブ二次側に配置することも多くみられます。
ただ、ここで気を付けて頂きたいのは、流量計の種類によっては、配管径の5~10倍の曲がりや径が変動しない穏やかな流れの直管部を必要とすることです。
流量制御バルブの構造上、確実に流路を絞りますから、下流へ送られる流れは、決して穏やかなものとは言えないでしょう。
この乱れた流れを整流する仕組み無しで、流量センサーを流慮制御バルブの下流に配置すると、流量計の測定値に悪影響を及ぼす場合もあるという事なのです。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第266話 コンバージョンファクターは1つではない その3

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」 201812月号(11/26発売)では、マスフローのゼロシフトに対するゼロ調整に関して解説しています。

本ブログと併せてお読み頂けましたら、幸いです。

 

さて、本物語のラスボスの一つCFの信憑性”との戦いの最中です

前回はCFへの温度影響を確認しましたが、今回は圧力影響に関してです。

Bronkhorst HIGH-TECH B.V.(以下ブロンコスト)WEBで提供しているFLUIDATonthe Net”(以下FLUIDAT) を使って今度は、ガスをアルゴンにして解説しましょう。

 
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上図ではアルゴンガス、FS100SCCMMFM での比較です。
今回は圧力条件(流体の供給圧)での比較となります。
マスフローの一般的な構造を下図に示しますが、ここでいう圧力は流量センサー管にかかる圧力になるので、一次圧のことを言い、MFCの際の二次圧や差圧は関係ありません。

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*以前、UNIT社とそのフォロワーにあったMFC二次側に流量センサーを置く=流量制御バルブ→流量センサーという特異なレイアウトのMFCにとっては、ここは二次圧となるのですが、これではセンサー管内の圧力がプロセスで変動しやすくなり、あまり好ましくなかったのではないかとDecoは思っています。)


0.1MPa
条件と、選定したMFMの圧力定格最大値である10MPaで比較してみましょう。
結果は0.1MPa1.387100FSという、我々マスフロー業界の人間としては、CF表で馴染みのあるアルゴンのCF1.4に近い値となったのですが、10MPaだと1.181100FSという驚きの数値となるました。
更に高い圧力でのCF変化を調べるべく、モデルを変えて定格40MPaまで耐えられるEL-FLOW F-131Mを選んでみます。

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上図にあるように、40MPaでのCF0.9587100FSと、これはもうアルゴンのCFとは思えない値まで下がっています。
前回の温度変化の影響よりも、気体が圧縮されることで密度が変化する圧力変化影響が非常に大きいのが見て取れます。

 

 「これほど極端な高圧条件でマスフローを使わないので問題ない。」というユーザーが当然多いと思います。
因みにMFM F-111B-100の真空10kPaA)での値は1.391100FSでした。
0.5MPa
での値は1.378100FS 0.8MPa1.371100FSですから、例え高圧=1MPa未満であるからといって、CFへの圧力影響が皆無ではないことを、頭に入れておいてくださいね。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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