流量計、特にマスフローコントローラやマスフローメータで使用される流量単位は複雑です。
マスフロー=質量流量計を謳いながら、質量流量単位g/hを使用する事は希です。

代わりに体積流量単位を使用するのですが、この場合は、基準となる温度&圧力条件での定義が必要です。
SCCM=Standard CC/Min  SLM= Standard Liter /Min
*mls/min , ls/min や ml/min[S] ,  l/min[S] も同じSTANDARD(標準状態)を示すが、業界により標準となる温度が異なるので要注意
半導体業界で使用するSCCM、SLMが0℃標準 その他業界で用いるmls/min や ls/min, , ml/min[S] ,  l/min[S]  は日本では20℃だが、USAや中国では更に異なる!

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NCCM=Normal CC/Min   NLM= Normal Litter /Min
*mln/min  , ln/min や ml/min[N] , l/min[N] も同じ。
こちらは 0℃でNORMAL(ノルマル)状態を示す。
(リッターは小文字“l”が正しいのですが、カタログ等では誤認を避けるべく“L”を用いることもあります。)

真空業界ではSI単位で組み合わされた Pa・m3/secを使用する事もあります。
 メモ)換算 1L/min= 1.667  Pa・m3/sec

「めんどくさいなぁ。どっちでも大差ないでしょ!」と言ってはいけません。
0℃基準と20℃のMFCは流量差が、7%あるのですから、精度性能 1%を気にしているどころではありません。
ボイル・シャルルの法則を思い出してみたら、すぐわかりますね?

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Q:校正温度を間違えてMFCを製作手配すると、どうなりますか?

A:本来の温度基準ではない為、誤差が発生します。
  例えば20℃基準で手配すべきMFCを0℃で手配した場合、
  表示値の(273+20)/273=1.073倍 つまり7%も流量が多く流れてしまうのです。

こわいですね!気を付けましょう。

MFC豆知識 by EZ-Japan Deco