EZ-Japan BLOG since 2017

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

熱式流量計

真・MFC千夜一夜物語 第253話 マスフローメータ(MFM)の運用に関して その5

もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌 2018年6月号(5/25発売)は、コリオリ式マスフローメータ(MFM)を用いたマスフローポンプ(質量流量ポンプ)の解説ですので、本解説と合わせてお読みいただけたらと思います。

 前回の補足になります。
MFM特有の問題として、もう1つあります。
MFMを真空条件で使用した場合の流量の器差問題です。
これはCFの解説でも少し触れたことがありますが、MFMの場合、二次側が真空条件で使用すると、MFCのようにバルブオリフィスでの圧力損失がないので、そのままセンサー管内部のガス圧が真空となり、ガス密度が下がり、大変希薄な状況となります。
その場合、流体固有の物性であり、熱式流量計のCFを決定する定圧比熱への影響だけではなく、巻線型分流構造だとセンサー管と層流素子との分流比自体も分流構造の差に準じて変化していく傾向があり、器差が大きいというデータを以前採ってもらったことがあります。
この問題はMEMSセンサー搭載型分流構造タイプのMFMでも確認されてはいますが、こちらは真空度の変化に追従して綺麗なカーブを描いたので、後段の装置側で補正可能というお客様での結論が出ました。
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この差はセンサー管に流れる流量と層流素子(バイパス)を流れる量が巻線タイプとMEMSタイプでは10倍以上MEMSの方が大きい、つまり層流素子との分流比率が小さかった事が起因していると思われ、先の分流構造が一因であるという、筆者の推論を裏付ける結果と考えています。
現時点での対策は真空条件のチャンバー側とMFMの間に絞りを設けてMFM内部を与圧にするしかなく、それが不可能ならば層流素子との分流比が小さい、もしくは全量測定構造のものを使う事で対応は可能です。
もし分流比が大きい巻線型MFMを使うならば、繰り返し性能のみを担保として、あくまで計測用途で使用することになります。
この真空下での流量測定という分野は、ラミナーフロー流量計などの圧力式でも器差の検討が必要な分野です。
今後の進展をこのブログで報告したいと思っています。

 今回はMFCに比べマイナーな存在のMFMを運用する上での問題を解説しました。
熱式流量計として、コリオリ式と並ぶ質量流量計に属しながら、熱式マスフローは温度圧力条件での制約が多く、また流体固有物性である定圧比熱が固定できないと実流量を測定するのは難しいという問題を抱えています。
しかし、質量流量計として完全に思えるコリオリ式は圧損を大きくとらないとセンサーで発生するコリオリ力が弱く流量測定が難しくなる面があり、真空下での気体流量測定にはやはり熱式のMFMに期待がかかるところなのです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

2017年を振り返って~フェアであること

2018年も残りわずかですね。
今年も無事にブログを続けてこられましたのは、読者の方々のお陰です。
「ブログ読んでますよ!」「計測技術の連載、楽しみにしてます!」というお声が何よりの元気の素です。

そうそう、12/25には、年内最後の 日本工業出版(株)計測技術 1月号が発売されます。
今回のマスフロー千夜一夜物語~質量流量計の基礎~ は、熱線式風速計から熱式センサーまで熱式流量計のオリジンに立ち返った解説です。

さて、今年の一番大きなEZ-Japanにとっての出来事は、ブロンコスト・ジャパン(株)さんとの提携でした。
色んな学会や展示会のセミナー、日工セミナー等で皆さんにお目にかかって、ブロンコスト製品の素晴らしさを理解して頂けるように努めました。

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オランダに本社を持つEUのトップシェアメーカーであるブロンコスト社の製品は、これまでのDecoが携わってきた日本やUSのメーカーのそれとは一味も二味も異なるテイストでした。
元々ニッチなマスフロー業界の中でもさらにニッチを狙うその製品開発姿勢には非常に感銘を受け、ブロンコスト製品を日本市場へ紹介するエヴァンジェリスト(宣教師)に名乗りを上げてしまったのですが、製品だけではなく彼らのマインドに共感したところが大きかったのだと思っています。

”フェアなビジネス” 
彼らのよく使う言葉です。
フェアープレイ=ダーティな事をしないという意味ではなく、メーカーもお客さんも対等でその関係はフェアであるべきだという信条です。
相見積で叩きあってコストを下げることで、お客さんは喜ぶかもしれませんが、メーカーはもうからないビジネスを続けることで、体力を消耗し、不測の事態を迎えることになるかもしれません。
これは冗談ではなく、リーマンショック後に世界トップMFCメーカーが崩壊したこの業界では現実にあったことなのです。
かといって不当に高くお客様に売りつけるような事を続ければ、今度はお客様の事業が撤退してしまうかもしれません。

互いにフェアに、互いに納得できるポイントを目指して、ビジネスは進めていきたいものです。
Decoは常にそう考えてやってきました。
EZ-Japanのような個人事務所は、吹けば飛ぶようなものです。
サラリーマン時代に培った知見を自分でビジネスにしていくのとても楽しいのですが、なかなか皆さん
対価をお金で払ってくれません。
「あー、教えてもらって助かった!またお願いします。」という言葉で終わってしまうと、ビジネスは成り立たないわけで・・・

でも、営業の面白みとは、自分が良いと信じた製品をお客様に理解いただき、購入頂くことです。
購入しなければ、使っていただいて喜んでいただくこともできませんから。

だからこそ、来年も更にペースアップしてブロンコストのエヴァンジェリストとして頑張ります!

今年のブログの更新はこれで最後になります。
例年より長く休ませて頂いて、1/9から再開いたしますので、宜しくお願いいたします。

それでは、皆様、よいお年をお迎えください!

・こう書きましたが、EZ-Japanの営業自体は年内12/29(金)までやっておりますので、御用がおありの方はご連絡ください。

EZ-Japan Deco こと 黒田 誠


EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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