EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

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産業用イーサーネット

真・MFC千夜一夜物語 第289話 フィールドバス vs 産業用イーサーネット vs マスフロー!その4

【お知らせ】

今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただきました。こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

 

もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されている日本工業出版さんの「計測技術」誌 20197月号(6/25発売)ではマスフローコントローラー(MFC)、マスフローメーター(MFM)が属する質量流量計の解説から離れまして、それ以外の各種流量計(体積流量計)を取り上げて解説を行っています。

 

マスフローでのフィールドバス&産業用イーサーネットへの取り組みに関して

マスフローでの各種フィールドバス&産業用イーサーネット対応への取り組みを紹介しましょう。現時点で最も多種多様なネットワークに対応するオプション展開を有しているのは、オランダのブロンコスト(Bronkhorst High-Tech B.V.)かと思います。
フルスケール(FS)0.7ml/min1450l/minまでを網羅する同社の標準機種EL-FLOWシリーズのI/O仕様は、D-Sub9ピンコネクターでのアナログ信号(電圧信号0-5VDC / 0-10VDC 、電流信号 0-20mA / 4-20Aから選択可能)とRS232Cです。
アナログI/Oでオプション費用なしで4種に対応できるだけでも非常に競争力があると言えます。
それに対してデジタルでは、まずフィールドバスでDeviceNetTM /PROFIBUSⓇ / Modbus /そして自社オリジナルのFLOW-BUS、産業用イーサーネットでEtherCAT / PROFINET と実に6種に対応しています。(下図)

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出典:ブロンコスト・ジャパン(株)

他のメーカーではDeviceNetTM  / EtherCATあたりで、国産メーカーが三菱のPLCを使用する顧客が多い関係でCC-Linkに対応しているくらいではないでしょうか?

下図で明記されたフィールドバスと産業用イーサーネットの数は10種+その他ですから、それでもまだ対応が及んでいないバスはあるのです。

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出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018


だが、これを一概にマスフローメーカーの努力不足と責めることはできないと思います。
なぜならこれらのフィールドバス及び産業用イーサーネット対応のマスフローを開発するコスト、そしてODVAのような組織への加盟とコンフォーマンステスト受験費用、各通信ネットワークを用いた専用製造設備投資、そして通信基板の在庫負担を考えると全ての方式を網羅しろという方が酷だからです。

マスフローメーカーからすれば、本来のマスフローの性能とは関係のないI/Oの問題であり「この通信規格だからマスフローの性能が上がる」という利点は一切ないのです。
ネットワーク機器としての付加価値は付けられても、マスフローの基本性能である精度や繰り返し性、応答性への付加価値はゼロなのです。

なのにその開発にコストと時間を費やすことは、大半が中小企業であるマスフローメーカーにとっては大変厳しいと言わざるを得ないでしょうね。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第288話 フィールドバス vs 産業用イーサーネット vs マスフロー!その3

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フィールドバスと産業用イーサーネット その2

 

産業用イーサーネットは、下図の2018年の市場予測では、フィールドバスを凌ぐシェアと成長率になっています。

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出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018

イーサーネットは、LANで使用されている事もあり、なじみ深いコンピュータネットワークの規格ですね?
1983
年にIEEE802.3として規格化された当初は2.94Mbpsだった通信速度も、1995年には100Mbps1999年には1Gbps2002年には10Gbpsとスピードアップして、オフィスや家庭で用いられています。
産業用イーサーネットは、オフィスや家庭で使われているイーサーネットを、工場の現場へそのまま持ってきたものではありません。
産業用途では各種センサーが受ける信号は刻々と変化するので、通信の実行の確実性、つまりある時間間隔内に操作対象機器に確実に通信を実行することを求められます。
従って産業用イーサーネットでは「リアルタイム性」が要求されることになります。
産業用イーサーネットがRTEReal-Time Ethernet)とも呼称されているのはその為です。
また、生産現場環境はお世辞にも良いものではありません。
粉塵防水は当然として、更にオイルにまみれ、高温環境に晒され、ノイズの飛び交う過酷な環境下で使用される事になります。
信頼性に関する検証は厳しい条件が要求されます。
産業用イーサーネットは「標準イーサーネット型」「専用イーサーネット型 又は非標準イーサーネット型」に大きく分けられます。
標準イーサーネット型は、標準のイーサーネット技術を利用し、産業用イーサーネットのプロトコルを実装しているものです。

これはさらにTCP/IP UDP/IPを利用するものと、高速化のためにTCP/IP処理をスキップしたものに分けることができます。

前者の代表的なものとして、PROFINET , EtherNet/IP (Ethernet Industrial Protocol, Modbus TCPなどがあり、後者にはETHERNET Powerlink , EtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology マスタ) , PROFINET IOなどがあります。

専用イーサーネット型は、高速・高精度な同期制御を実現したり、固有の冗長化システムを提供したりするために、専用のASICApplication Specific Integrated Circuit)もしくはFPGAField Programmable Gate Array)を採用しています。

専用型では、TCP/IP通信にはゲートウェイが必要になります。

代表的なものには、PROFINET IRT , MECHATROLINK, CC-Link IE , EtherCAT(スレーブ), SERCOS などがあります。
産業用イーサーネットの通信規格は、国際標準であるIEC規格においてIEC 61784-1/2でまとめられているので、参照してください。

工場現場での通信に関してフィールドバスの次世代通信規格として産業用イーサーネットの採用を考える人が増えているのが、上図のシェア推移を見ても理解できます。

2018年で、ついに産業用イーサーネットはフィールドバスとの比率を逆転する訳なのですが、その理由として挙げられるのは、データー(情報量)の増加です。

デジタル化により機器の能力が向上するのはマスフローだけではありません。
温度、圧力の信号はポイント毎にセンサーが配置されています。
それら機器からの情報をリアルタイムで吸い上げ確実に処理をするにはフィールドバスでは対応しきれないと予想されているのです。
その為、従来のフィールドバスを置き換えるだけでなく、しばしば継続して利用できる仕様であることも、産業用イーサーネットには望まれています。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第287話 フィールドバス vs 産業用イーサーネット vs マスフロー! その2

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もう一つのMFC千夜一夜物語が掲載されてい日本工業出版さんの「計測技術」 20197月号(6/25発売)ではマスフローコントローラー(MFC)、マスフローメーター(MFM)が属する質量流量計の解説から離れまして、それ以外の各種流量計(体積流量計)を取り上げて解説を行っています。

 

フィールドバスと産業用イーサーネット

前にもお話ししたDecoの持論なのですが、「デジタル制御系を内蔵した現代のマスフロー(MFCMFMの総称)はデジタル通信で使ってこそ、その真価を発揮する。」と思っています。
その意味でフィールドバスへの対応は歓迎すべき状況です。
既存の制御系と互換性があり、その意味で実用性のあるアナログI/O対応デジタルマスフローは現在でも生産されています。
前夜の話ではないが、日本はアナログマスフローを根強く使い続けている唯一の国かもしれません。

それはアナログに対応した制御系を搭載したレガシーツールが根強く残っている事と、フィールドバスの乱立による戦国時代的な市場の有様が影響していると思えます。
マスフローだけ、特に半導体製造装置向けのマスフローを追いかけていると、フィールドバス=DeviceNetTMのイメージがありますが、世界的に、そして各種業界を俯瞰してみると、各種のフィールドバスと、更に産業用イーサーネットが入り乱れているのが実情なのです。

下図の円グラフを見れば、その群雄割拠ぶりが良く理解できると思います。

 
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出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018

今回はまずフィールドバスに関して少し説明をしましょう。
マスフロー業界でのフィールドバスの代表格であるDeviceNetTM
はドイツのボッシュ社のCAN(Controller Area Network)技術をベースに開発され1994年にUSのアレン・ブラッドリー社が発表したRS485をベースとしたFA向けの制御ネットワークです。
こういったネットワークをフィールドバスと呼称しています。
「通信の規格化」が行われた上で、オープンネットワークとして開放されているのが特長で、例えば同じDeviceNetTM を使用する場合、マスフローや圧力センサー、バルブといった配管機器間の通信には互換性が確保されています。
アレン・ブラッドリー社は、ODVAという組織を作り、現在はODVADeviceNetTM を所有、管理しています。
ベンダー(マスフローメーカー)はODVAに参加することで、DeviceNetTMの仕様を開示されることで、初めてそれに対応したマスフローを開発できるのです。
デジタルマスフローの黎明期のように「RS232CRS485のような規格は共通でも、プロトコルはメーカー個々に構築された結果、各々の互換性に乏しくなる」という問題を解消し、ベンダーにもユーザーにも「優しい」仕様となっているのです。
フィールドバスの似通った規格として欧州のProfibus、日本のCC-Link等が存在し、同様に装置制御に用いるPLCメーカーが旗頭になっています。

つまり地域ごとに、PLCメーカーごとにこのネットワーク規格は存在してしまっているのです。(もちろんPLCメーカーの主導するフィールドバス以外の規格にも対応するPLC製品は存在しています。)
どのフィールドバスネットワークを選べばよいのか?悩みの種なのです。


ここでさらに事態を複雑にするのは、産業用イーサーネット(Industrial Ethernet)の台頭なのです。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

フィールドバス対応マスフローとはいったい? その2


 そもそもマスフローに対するフィールドバスとは、どういった役割を果たしているのでしょうか?

この質問に正確に答えられる人は、あまりいないかもしれません。

 

少し前によく聞いたのは、以下のやり取りです。

「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは性能がいい。」 

答) × マスフローとしての基本性能は変わりません。

 

「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは通信速度が早くて、大量のデータが送れる。」 

答) △ ネットワークとしては早いですが、そもそもマスフローの熱式流量センサーはいたって遅いセンサーですし、SV値に対するPV値とMV値以外に特にやり取りすべきコマンドは存在していないので、大量のデーター通信は不要です。

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「フィールドバス = DeviceNetに対応できていないマスフローは、世界的にガラパゴスな存在になってしまう。」

答) × 前回の市場シェアグラフ(出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018を見る限り、産業用イーサーネットの躍進を見ると、むしろ逆かもしれませんね。

 

フィールドバスは、そもそもマスフローと何との間を取り持とうとしているのでしょうか?

答えはPLCです。

PLCとはProgrammable Logic Controller の略称で、シーケンサーとも呼ばれます。
ただ、シーケンサーは、三菱電機()の製品名ですので、一般的な機器を指す場合はPLCと呼称した方が良いでしょう。

PLCが何をするものか?というと、簡単に言えば「要求された入力内容に従って、予めインプットされたプログラムを動かし、接続された機器(マスフロー等)へ動作指示を出力する役割を果たす機器」です。

装置の自動制御に特化したコンピューターのようなものと考えればいいでしょう。

で、そのPLCは単独では何もできない箱ですので、多数の機器と接続することになります。

その一例がマスフローですね。

マスフローへ設定指示(SV値)を送る場合、マスフローの流量信号(PV値)を読み出す場合、このPLCとマスフローの間で共通言語が必要になります。

これがフィールドバスです。

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例えるなら、サッカーチームの監督がドイツ人で、ドイツ語で指示をするのに、選手が日本語しかわからなかったら、指示は伝わりません。

ミーティングで選手からの日本語での情報も監督には全く伝わりません。

それではチームは機能しませんね?

 

PLCがアレンブラットリーやオムロンならば、DeviceNet で対話するのをルールにしていて、シーメンスならProfibus、三菱電機ならばCC-Linkといった具合に、PLCメーカーは自らの製品に対応するPLCを決めています。

 

「えっ、それってPLCメーカーの数だけ、フィールドバス対応品をマスフローメーカーは開発しなきゃいかんの?それにどんな意味があるの?」 


こんなセリフを十数年前にDecoはフィールドバスの説明に来てくれた業界の友人に投げかけたのでした・・・・

 

<つづく>

 

マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan

フィールドバス対応マスフローとはいったい? その1

新しく"Decoのマスフロー徒然日記”なるカテゴリーを作りました。
マスフロー千夜一夜物語はDecoのマスフローに関する知識で構成されていますが、それに対してこのカテゴリーでは、Decoのマスフローに対する思いでかたどられます。
ぶっちゃけると少し偏ってるかな?というような内容や、愚痴に近いものもあるかもしれません.
マスフロー千夜一夜物語よりくだけた読み物としてお付き合いください。


フィールドバス対応というとマスフローの業界では一番にDeviceNetが出てきます。
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フィールドバス&産業用イーサーネット対応マスフロー 
【出典 ブロンコスト・ジャパン(株)】


ご存じない方の為に少し説明を書きますと、DeviceNetは1994年にUSのアレン・ブラッドリー社が発表したFA向けの制御ネットワークです。
こういったネットワークをフィールドバスと呼称し、欧州のProfibus、日本のCC-Link等制御に用いるPLCのメーカーが旗頭になってます。
目的はネットワーク仕様のオープン化です。
例えば同じDeviceNetを使用する場合、マスフローや圧力センサー、バルブといった配管機器間の通信に互換性を確保する試みです。
アレン・ブラッドリー社は、ODVA(Open DeviceNet Venders Association)という組織をUSで作りましたので、現在はODVAがDeviceNetを所有、管理しています。
ベンダー(マスフローメーカー)はODVAに参加することで、DeviceNetの仕様を開示され、それに対応したマスフローを開発できるわけです。

ただ、前述のごとく、地域ごとに、PLCメーカーごとにこのネットワーク規格は乱立(失礼!)してしまっているので、さてどのフィールドバスネットワークを選べばよいのか?悩みの種なのです。
現在(2018年)の資料を見てみましょう。

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出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018
Anybus News ”産業用ネットワーク市場シェア動向 2018 (HMS 社統計) — 産業用 Ethernet がついにフィールドバスのシェアを上回る” by Thomas Carlsson | 2 16, 2018

ここでさらに事態を複雑にするのは、産業用イーサーネット(Industrial Ethernet)の台頭です。
2018年の市場予測では、フィールドバス(Fieldbus)を凌ぐシェアと成長率になっています。
*産業用イーサーネットの内容をここで書くのは割愛します。

問題は産業用イーサーネットの台頭もあり、マスフロー業界で流行りの筈のDeviceNetのシェアは全体の4%にすぎない・・・という事なのです。
うーん、これって果たして・・・と思うDecoなのでした。
<つづく>

マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan


EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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