もう一つのMFC千夜一夜物語である日本工業出版さんの「計測技術」誌 2017年9月号(8/25発売)掲載「マスフロー千夜一夜物語<質量流量計の基礎>」連載第37回は、“マスフローコントローラ(MFC)のトラブルシューティングの解説<後編>”となっています。

今回は “コリオリ式マスフローは、このアプリケーションにお奨め”をご紹介するその2です。

2.ドージングシステム
“流しながら測れる秤”と解説してきましたが、ならば当然その対抗馬というか、取って代わるべき存在は”流した結果を測る秤“であるロードセルです。
ブロンコストのコリオリ式マスフローのバッチカウンター機能と、そこから直接制御されるシャットオフ弁、比例制御弁、またはポンプで構成されるドージング(分給)システム“CORI-FILL™”を提供しています。
まずは下の動画をご覧ください。


ロードセル及び他のコリオリ式流量計とも比較して、CORI-FILLの利点は何でしょうか?

1.充填速度が速い=スループット向上
結果から制御するより、流しながら測って充填する方が当然センシングは早いわけですし、閉止弁との位置を工夫することで制御不能なデットボリュームが少ない配管を構成できるので、高速重点が可能になります。このことは揮発性液体を充填する際に顕著に問題になる気化分の蒸散という問題や、大気(空気)との反応という問題を減少させることができます。

2.マルチ流体を同時にドージング可能
コリオリは流体を問わず質量流量を測定しますから、ロードセルと異なり、マルチ流体を同時にドージング可能です。
ロードセルの場合は1流体毎にゼロイングが必要ですが、CORI-FILL™は次のバッチをスタートさせるのに短いリセットコマンドを発信するだけでOKです。
もちろん被充填対象の容器の重量変化があっても、充填量だけを測っているので問題はありません。
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<ブロンコスト CORI-FILL カタログから引用>

3.システムのダウンサイジング
mini CORI-FLOW™は最小測定流量がフルスケール5g/h、最小流量が M12で0.1g/h(ターンダウン1:50)、ML120で0.05g/h(同じく1:100)です。
他社のコリオリ式流量計で仮にドージングシステム組んでもここまで微小流量に対応できない為に、わざわざ流量計の測定レンジまで液体を希釈して測定させるようなシステムもあります。
それではフットプリントは大きくなるばかりです。

4.質量及び体積ドージングが可能
コリオリ式の利点は質量流量以外に密度情報をリアルタイムで出力できることです。これを活かして、質量流量だけでなく、体積流量に換算したドージングも可能になります。

5.デジタル通信/フィールドバス対応
mini CORI-FLOW™はデジタル通信、各種フィールドバスに対応していますので、PLCやPCとの通信により、バッチカウンター量をプリセット、データーロギングや、異常時のインターロック等の機能拡張が容易に行えます。

いかがですか?
良いことづくめのコリオリ式マスフローを使ったドージングシステム。
既にEUでは大々的に採用されているようですよ。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan