EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

MFM

面間寸法ってなんですか?

久しぶりのMFC豆知識のコーナーです。

今使っているマスフローコントローラー(MFC)が古くなってきたし、新しいMFCへ置き換えを検討しえて、MFCメーカーさんに見積もらおうとしたら、「面間寸法がわかりませんか?」と言われてしまったことありませんか?

面間寸法って、どこの寸法だろう?とお悩みの貴兄へ・・・ずばり!ここの事です。
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MFCの入口側継手の再突出部と出口側のそれとの間の距離の事なのです。

今のMFCは、1/4”VCR(フェイスシール)タイプならば面間寸法は124mmでどのメーカーもほぼ統一されてきたかな?と思うのですが、古いMFCですとそうもいかないのです。
例えば、少し前までコンパクトサイズという1/4”VCRタイプならば面間寸法は106mmというちょっと小さいサイズのMFCが国産では見られました。
更に124mmよりも大きなサイズも過去には色々とメーカーごとにありました。

それと面間寸法程知られていませんが、「芯高」という寸法もあります。

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芯高とは読んで字の通り、MFC底面から継手の中心点(芯)までの高さを言います。
これが1mmでも違うとVCRでは絶対接続できませんし、融通が利きそうなSWL(=LOK継手 食い込み継手 コンプレッション継手)でも厳しいです。
ここでいやらしい話なのですが、昔の装置では、この芯高が入口と出口で違うMFCが使われていたことがあったのでした。
もしこのタイプの置換となるとスーパーハードモード決定ですね。
諦めて配管を再施工していただく事が多かったですね。
さすがにもうないでしょうが・・・

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最近はIGS(Integrated Gas System)対応のMFCが増えました。
継手が無くなった筈のIGS用ですが、実は面間寸法に似た規格があります。
ポート間寸法(ピッチ)です。

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IGS対応機器はダウンポートと言って、機器の底面に入口出口があります。
下図を見て頂ければお判りいただけると思いますが、今までの継手ではサイドにあったポートが、底面にあるのです。
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ここでも92mm79.8mmというピッチの異なる規格がありますし、更にMFCでいう奥行方向も1.5”インチ1.125”インチという規格があります。
(IGSの他の機器はMFCと異なり、スクエアな底面デザインなので、1.5インチ角、1.125インチ角になrってます。MFCだけ仲間外れですね。)
えーっとさらに最近では10mmという規格もあります。
更にIGSでVCRやSWLに匹敵する部分としてシール形状、WシールとかCシールというものがあり、同じ92mmピッチ、1.125インチIGSでもここが共通でなければ接続できません。

やれやれ、IGSになってもやはり色々と覚えることは多いものなのです。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan




真・MFC千夜一夜物語 第305話 MFCとは不思議な存在 その5

【お知らせ】

今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただきました。こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

 

前回は流量設定信号(SVが0以外のある値でMFCに入力された状態で、ガスの供給が遮断された場合、MFCの調整計はSV流量信号(PVの状態をSV=PVとすべく、バルブ制御信号(MVを増やす為、バルブ開度最大でマスフローコントローラー(MFC)が待機してしまい、ガスを導入時に大きなガスサージを下流で発生させるトラブルとその対処法を解説しました。

要はMFCSVPVとするようにMVを自動制御するのをやめろ!」と指示すればいいのです。

 

これに似たような話をしましょう。
それが今流行りのPI-MFCです。

PIとはPI=Pressure Insensitiveの略で“圧力変動影響緩和型MFC”のことです。
PTI(Pressure Transit Insensitive)
と呼ばれることもありますが、このブログでは、総称として「PI」と呼称します。
PI-MFC
は圧力センサーを内蔵することで、例えばMFCの上流の分岐バルブ切り替えで一時的にレギュレーターからの供給圧力が急降下した場合、MFCはその急峻な圧力変動を捉まえ、流量センサーと制御バルブのフィードバック制御に「待った!」をかけて、バルブ開度を一時的にホールドするという仕組みを用いて、急峻な圧力影響からの流量変動を起こさないようにしています。

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でも、これをMFC側から考えてみると急峻な圧力変動影響で供給圧が下がってPVが減り、PVSVが生じ、その為にPVSVと一致するよう、MVを増やす=バルブを開いてしまうという制御自体は、MFCの制御としては決して間違っていないのです。

要はここでも、MFCが通常の流量制御を行っては困ってしまう事態が発生しているのです。

圧力センサーを使ってそのタイミングで自動的にMFCSVPVとするようにMVを自動制御するのをやめろ!」と指示する機能を搭載したMFCPI-MFCと呼称されているわけです。

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ところがこのPI機能というものは、なかなかその動作設定が難しいところがあります。

「急峻な圧力変動」には流量制御バルブをホールドする=流量制御を止めて追従させないけれども、だからといってどのような圧力変動が起きても全く追従しない=流量制御しないとなれば、それは「温度・圧力が変動しても一定の流量制御ができるMFCという存在では無くなってしまうからです。

ガスライン切り替えなどで生じる急峻な圧力変動だけを見分ける方法としては、単位時間当たりの圧力信号の変動量で閾値を作り、その値以上ならばバルブをホールドさせるという判断をPI-MFCにさせる方法が用いられていますが、

「敏感にして(閾値を下げ)頻繁にバルブをホールドさせるのがいいのか?」

「鈍感にして(閾値を上げ)あまりホールドしない方がいいのか?」

これをMFCが判断するのは、非常に悩ましいところなのです。

この悩みはMFCメーカーでいくら議論しても、難しいところです。
やはりPI-MFC
の動作に関わる配管レイアウトとライン切り替えシーケンスを熟知しているのは、装置メーカーさんになります。
なのでこの辺りは装置メーカーさん側で強くイニシアチブを取ってもらった方が収まりがいいのではないか?とDecoは常々思っています。


そしてせっかく圧力センサーを積むなら、PI-MFCPI動作だけをさせるのはもったいないので、ファームウエアのバージョンアップで圧力センサーを用いた新しい流量補正や制御ファンクションを加えて行った方が面白いのではないかと考えています。

例えばブロンコストのPI-MFCは全く違う用途(CFの圧力補正)で圧力センサーを使っていますし、MKSのPI-MFCはモデルコードによってはAPCとして使用されるよう調整されたりしています。
ここらへん頭の固いのは日本のMFCメーカーの性なのでしょうか?(失礼!)

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【出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

 

  

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第304話 MFCとは不思議な存在 その4

【お知らせ】

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流量設定信号(SV)が0以外のある値でMFCに入力された状態で、何らかの理由でガスの供給が遮断された場合、MFCの調整計はSV>流量信号(PV)の状態をSV=PVとすべく、バルブ制御信号(MV)を増やしますが、当然SVPVは解消されないので、バルブ開度最大でMFCが待機してしまい、いざガスを導入すると、全開で待機していたMFCの流量制御弁をすり抜けたガスが大きなガスサージを下流で発生させるトラブルに対しての対策は簡単です。


MFC
「自動制御をやめろ!」と指示すればいいのです。

 

「えっ?Decoさん、それどういうこと?」とおっしゃるかもしれませんが、読んで字の通り。

SVPV状態で、MVは最大値となって、流量制御バルブが全開待機することが問題なのですから、MFC「ユー そんな制御やめなよ!」というコマンドを入れてやればいいのです。

 

具体的には2つ方法があります。

1つはSV=0Vを装置からMFCに入れてやることです。でも、これだけでは足りません。なぜならMFCのゼロがずれていた場合、SVが0VでもPV-0.1Vならば・・・やはりSVPVとなりバルブは開いてしまいます。

これと連動して、SV値が0V近辺となった場合に、流量制御モードから強制的にバルブ閉モードに変更仕組みが必要になるのです。

この機能は、「オートシャットオフ」等と呼称されています。

具体的にはSV=0Vではなく、流量制御下限値2%未満の信号が入った際にこのモードを働かせています。この閾値は、メーカーにより色々で1%付近だったり、もっと0に近かったりします。これは「0Vという信号」を電気的に安定して入力するというのが難しいからです。

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もう1つは、外部から任意のタイミングで、流量制御モードを強制バルブ閉モードに変更する信号を入れる事です。

この信号は、MFCの電気コネクターでは、SV入力とは別のピンがあり、そこに-15Vを入力したり、COMとショートさせることで動作します。(メーカーによって異なりますので、要確認です。

「バルブ強制閉信号」、「VORと言われる機能ですね。

このモードは、前述の通りメーカーによる動作信号種の差もあったり、中にはこの機能を装備していないメーカーもあるので、装置側から見ると少し使いにくい機能といえます。

 

今、アナログ信号で説明しましたが、デジタルの場合は、電圧信号のノイズ影響のような不確かさはありませんから、どちらのモードを使っても確実な動作は保証されます。バルブ強制閉コマンドが統一されていない場合は、前者のオートシャットオフ機能付きのMFCで、SVを0にすればOKです。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

【お知らせ】EZ-Japan HPのバージョンアップ 

好評いただいていおりますEZ-Japan HP を2月中旬をめどにリニューアルしようと作業中です。

その内容としては、あくまで今までの内容の延長線上になるのですが、皆様からのご要請に沿ったパワーアップをしてまいります。

・製品紹介の強化1 防爆規格マスフローページのリニューアル
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・製品紹介の強化2 MASS-STREAM 新バージョンのご紹介
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・新コーナー マスフロー講演会のご案内
ブログに次ぐEZ-Japan の看板コンテンツに成長しつつある”マスフロー講演会”のご紹介です。
あなたの会社、学校にDecoが伺い、マスフローに関して熱く語ります。
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半導体製造ガス流量ワーキンググループ(SGF-WG)のご紹介
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お楽しみに!

EZ-Japan 代表 黒田 誠(Deco)

真・MFC千夜一夜物語 第303話 MFCとは不思議な存在 その3

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前回は流量制御に関して、手動制御自動制御のお話をしました。
自動制御では流量値を電気信号、もしくは通信で発信できる流量計(センサー)と、同じく電気信号や通信で動作する自動制御弁を調整計と呼ばれる機器に接続することで、流量計からの検出値と目標値を①比較し、それらの偏差を②判断し、自動制御弁の開度を③操作する事で自動制御を行います。これが計装業界では一般的な機器の配置です。

マスフローコントローラー(MFC)は、この自動制御に必要な機器の組み合わせを、一つのモジュールにまとめってしまった機器なのです。
下図にその流れをまとめておきましょう。
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ここで勘違いしてはいけないのは、「手動制御が自動制御に劣る」「一体型のMFCの方が優れている」という考えです。
手動制御は自動制御のような人を廃除することはできませんが、環境条件等が大きく変動する要素が無い場合は、ローコストで設置できる利点を活かせます。
制御させることが少ないので、人が介在するのが立ち上げ時と、点検時だけでいいような場合、ワンショットの実験等ですぐラインを解体してしまう場合が挙げられます。
また、一体型にする利点はシステムの小型化や、個々の機器を組み合わせるより設置・調整の手間がかからず、しかもローコストで調達できる利点があります。
ですが、一体型であるが故の問題点というものも存在するのです。

たとえばこういった状態でガスを導入する場合です。
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よくある事例で、このブログでも何度もご説明していますが、流量設定信号(SV)が
0以外のある値でMFCに入力された状態で、何らかの理由(図では空圧弁へ圧縮空気を送る電磁弁が閉、従って空圧弁も閉状態)でガスの供給が遮断された場合、MFCの調整計はSV>流量信号(PV)の状態をSV=PVとすべく、バルブ制御信号(MV)を増やしますが、当然SV>PVは解消されないので、バルブ開度最大でMFCが待機してしまっている状態です。

この状態で空圧弁を開いてガスを導入すると、全開で待機していたMFCの流量制御弁をすり抜けたガスが大きなガスサージを下流で発生させます。
下流側にワークの入った真空チャンバーがあった場合、真空が破壊されたり、巻き上がったゴミがワークに付着したり、最悪はワークが破壊されたりする深刻なトラブルを招きかねません。
しかし、これはMFCの不具合かというと、そうではないのです。

よく、「MFCが制御不良からオーバーシュートして不具合を起こした!」とユーザーさんからクレームを付けられるケースですが、実は制御不良ではないのです。
そもそもMFCはSV=PVとなるよう(MFCにとって)正常な制御を行っている状態であり、空圧弁が開いた後、SV<PVの状態を感知して、SV=PVとすべく、MVを小さくしてバルブ開度を制御させたのであって、応答制御不良でオーバーシュートを起こしたわけではなく、急激なガスの侵入に対して制御が間に合わなかった分がガスサージとして下流に流れて行ってしまったのです。

一体型のMFCの内部で調整計が制御を行っていると、なかなかその動きが外から見えにくく、MFCの制御不良、オーバーシュートによるものと誤解されてきた過去がありました。
対策はありまして、それはMFCに「自動制御をやめろ!」と指示することなのですが・・・
(次回につづく)

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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