EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

PID制御

真・MFC千夜一夜物語 第330話 MFCの応答性 その6

マスフローコントローラー(MFC)の応答性に関して、調整計での制御方法の解説を始めました。
比例動作を制御する
P制御では、流量設定信号(SV)に対して流量信号(PV)が近づくと、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きてしまい、いつまでもSV=PVになってくれません。
そこで
PI制御で過去の偏差を時間的に蓄積し、蓄積量がある大きさになった所で、MVの操作量を増やして流量を増やし、偏差を解消させるという特別な動作をするのでした。

今回はPID制御です。

 

PID制御

 PI制御の弱点は偏差を蓄積する分、PVSVに合致するのに時間が必要になる点です。
MFC
のように周囲の配管機器とガス供給系を形成している場合は、色々と難しい問題が存在します。
例えばMFC1次側で複数ラインを1つの調圧器(レギュレーター)で賄う際に生じるのですが、バルブ切り替えによる消費ライン数の増加に伴う一時的な払い出し量不足や、二次側の真空チャンバー排気量のゆらぎによる二次圧変動のような突発的に強い外乱が発生した場合、PI制御では偏差をある時間が経過した都度修正するので、元の値に戻すために時間が掛かってしまい、それが問題視されてしまう事がありました。(下図:PI制御の場合) 

それに対する改善方法があるので、今回の解説の最後に紹介しますね。
それがPID制御(比例・積分・微分制御)です。

 201102_03


しかしこのPID制御も万全ではありません。
むしろ図中の微分動作にあるようなオーバーシュートを伴う急峻な波形を形成してしまうことで、二次側にある真空チャンバーの真空度を一時的に悪化させたり、チャンバー内でパーティクルの巻き上げを起こす可能性があります。

本来それらを防ぐ為に装置のインターロック(PVをモニターし、SVの一定許容範囲を超えた際にアラームを立て、最悪ガス供給を断つ方向へ制御する。)を誤作動させる要件になりかねません。

MFCはよくPID制御されていると表記されますが、実際の動作ではPI制御が主であったりします。PID制御で使用するには、マスフローの流量センサーの主力である巻線型センサーの流量出力信号が決して速くはない事が挙げられます。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第329話 MFCの応答性 その5

前回からマスフローコントローラー(MFC)の応答性に関して、調整計での制御方法の解説を始めました。
比例動作を制御する
P制御で、目標値と現在値との差に比例した操作量を調節する制御を行うと、ハンチングの小さい滑らかな制御が可能になります。
ただ、流量設定信号(
SV)に対して流量信号(PV)が近づくと、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きてしまい、いつまでもSV=PVになってくれません。

 

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PI制御 

このままではMFCの設定信号通りには、流量が流れてくれないので困ります。

そこでPに加えて積分動作=I動作を用いたPI制御が用いられます。

 

P制御における問題点は、PVSVに近づくと、MVの伸びが鈍ってしまうことでした。

SVに近い状態でPVが安定はするが、永遠に「PV=SV値」にはならないのです。

このP制御における、PVSVの差を偏差と言います。

つまりP制御ではSVPVを近づけることまでできるが、SVPVとの偏差を0にできない」という問題があると言い換える事ができるのです。

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この偏差をなくすために考えられたのが、積分動作(I動作)です。
上図にあるようにI動作は偏差を時間的に蓄積し、蓄積量がある大きさになった所で、MVの操作量を増やして流量を増やし、偏差を解消させるという特別な動作をします。

 

このようにして、P動作にI動作を加えた制御をPI制御(比例・積分制御)と言い、一般的なMFCはこのPI動作で制御されいると言っていいのです。

 

「あれ?MFCの制御はPID動作じゃないの?」

とおっしゃる向きもあるかもしれませんね?
それに関しては、次でお話ししましょう。

 

あと、念のためですが、ここで説明したPI、最近はやりのPI-MFCPI=Pressure Insensitive、つまり圧力変動影響緩和型MFC)のPIとは全く別の意味ですから、ご用心ください。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

 

真・MFC千夜一夜物語 第328話 MFCの応答性 その4

前回はマスフローコントローラー(MFCの応答性に関して、同じ熱式流量センサーでも、巻線型とMEMS型、インサーション型の差を比較してみました。

今回は、MFCを構成する流量センサーと流量制御バルブを制御する調整計の機能に関してお話ししましょう。機器間の関わりは下図を参照ください。


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MFCが搭載している調整計は、流量センサーからの流量信号(PV)と外部機器からの流量設定信号(SV)を比較、判断して、流量制御バルブの制御信号(MV)を操作する仕事をしています。

 

MFCの調整計の用いる制御方法として、PID制御という言葉をよく聞きますね?
ですが、MFCにとってのPID制御という解説にはなかなか適切なものが無いのです。
PID
は大別すると、P動作:Proportional(比例動作) 、I動作:Integral(積分動作)、D動作:Differential(微分動作)のことです。
連載ではPPIPIDと順に制御を解説していきますね。

 

P制御

P制御とは、目標値と現在値との差に比例した操作量を調節する制御方式です。
ある範囲内のMVが、制御対象のPVの変化に応じて0100%の間を連続的に変化させるように考えられた制御のことです。
ON-OFF制御に比べて、ハンチングの小さい滑らかな制御が可能になります。
SV
PVの差が大きければ加速度を上げてSVに接近させ、PVに近くなると徐々に加速度を下げる制御を行います。
このP制御でうまく制御できると良いのですが、SVPVが近づくと問題が生じます。

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 操作量が小さくなりすぎた為に、これ以上細かく制御できない状態になってしまい、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きるのです。
手動操作する場合は、その辺りを上手く微調整して、目標値ピッタリに合わせる事が可能なのですが、調節器を使って電気的にコントロールする場合、目標値との差(偏差)が小さくなりすぎると測定誤差の範囲内に収まってしまうために、これ以上追い込む制御が不可能になってしまうのです。

しかし、MFCではそれは困ります。
SV
がフルスケール100SCCMに対して98SCCMPVが安定した状態は、フルスケールに対して-2%の値で制御を良しとすることであり、通常のMFCに求められる流量制御の要求値からは大きく外れてしまいます。

 

これでは困るので、解決手段としてPI制御が登場します。

 

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

無脈動ポンプからマスフローポンプの時代へ!


今回はブロンコスト・ジャパン(株)のスマッシュヒット マスフローポンプ をご紹介します。


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<特徴>


・液種、物性、混合比率が不明、もしくは刻々と変化しても質量流量ベースで安定供給できます!



・環境条件(季節による温度変化)、圧力条件の変化があっても影響を受けません!



・微小流量(最小制御流量5g/min)から幅広い流量レンジを選択可能です!



・脈動がなく、振動音が小さい安定した液体供給が可能です!



・接液部はSUS316L(オプション:ハステロイ)、ギア部品(PPS or PEEK)とOリング(Teflon)で構成、多種多様な液体に対応!



・経年劣化するパーツ(ギア部品とOリング)を交換するだけで、ユーザーでも簡単にメンテナンスできます!



・何よりも市販の微小流量用無脈動ポンプよりも、はるかに安価でご提供できます!

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ブロンコストのコリオリ式マスフローメーター(MFM)&コントローラー(MFC)であるCORI-FLOW & mini CORI-FLOWシリーズは、物性や混合比率が不明な流体であろうと、温度圧力の変動影響を受けない“質量流量”で測定できる優れものです。

ロードセルのような秤と同じ重さをベースにした測定結果が、液体を流しながらリアルタイムで得られます。

ここで得られた質量流量検出値と、予め設定した目標値が一致するようギアポンプの回転数をPID制御で最適に調節して液体を送り出すのが”マスフローポンプ“です。

ギアポンプは静音で、脈動を起こしにくいという優れた特性を持っています。
その回転数を自動的に制御することで、設置環境の通年の寒暖差による温度変化の影響や、ギアポンプ自体の摩耗による吐出量が低下しても、その時点での最適な回転数へフィードバック制御が行われますので、安心してお使いいただけます。

EZ-Japan HPの記事も参照ください。

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新製品ソニックフローメーター “ES-FLOW”が入荷してました!

先日、ブロンコスト・ジャパン(株)に伺ったら・・・
新製品のソニックフローメーター “ES-FLOW”が入荷してました!

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【撮影協力:ブロンコスト・ジャパン(株)】
写真のイメージより小さかったです。
家電製品のような立派な箱に入っていたので、びっくり!

ギアポンプや比例制御弁と組み合わせて、本体からPID制御できますから、簡単に液体流量制御が可能です。マスフローポンプの弟分ですね!
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新しい動画もYouTubeにアップされました。
 
こういうところがマメですね!

コリオリ式は質量流量を測定するのに対して、超音波はあくまで体積流量計ですから、温度・圧力補正が必要になります。
でも、物性が明確な液体なら、コリオリ式マスフローでマスフローポンプを構成するよりも、安価なフローコントロールモジュールが組めます。
名付けて「ソニックフローポンプ」とでも呼びましょうか?
とにかく面白い製品です。
興味持たれた方はお声がけください。

【MFCニュース】 by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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