PID制御
従来モデルのES-FLOW MkⅠ と 新バージョン MkⅡの大きな変更点は以下の通りです。
・最小流量レンジ:4...200 ml/min → 2...100 ml/min へ
・その他 MkⅡでは衛生規格:3-A対応(トリクランプフランジ付きの製品のみ)、3-A対応のエア駆動ダイヤフラムバルブGEMÜ 650と組み合わせ可
・超音波を使用して、小口径チューブ内で、高精度・高直線性・低圧力損失で、2...100 ~ 30...1500 ml/minの微小流量を測定するように設計されています。
・ゼロデッドボリュームのストレートセンサーチューブにより、流量計はセルフドレイン構造です。
・オービタルTIG(Tungsten Inert Gas)溶接は衛生的な接続を可能にしており、この機器は衛生的な用途にも使用頂けます。それ以外の御用途では、食い込み継手(SWLタイプ)を装備することも可能です。
・接液部はステンレススチール(SUS316L相当)です。
・ユーザインタフェースは静電容量型タッチスクリーンであり、情報の読み取りと機器の操作のためのTFTディスプレイを備えています。
興味を持たれた方は、EZ-Japan までお問い合わせください。
【MFCニュース】 by Deco EZ-Japan
マスフローコントローラー(MFC)の応答性に関して、調整計での制御方法の解説を始めました。
比例動作を制御するP制御では、流量設定信号(SV)に対して流量信号(PV)が近づくと、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きてしまい、いつまでもSV=PVになってくれません。
そこでPI制御で過去の偏差を時間的に蓄積し、蓄積量がある大きさになった所で、MVの操作量を増やして流量を増やし、偏差を解消させるという特別な動作をするのでした。
今回はPID制御です。
PID制御
PI制御の弱点は偏差を蓄積する分、PVがSVに合致するのに時間が必要になる点です。
MFCのように周囲の配管機器とガス供給系を形成している場合は、色々と難しい問題が存在します。
例えばMFC1次側で複数ラインを1つの調圧器(レギュレーター)で賄う際に生じるのですが、バルブ切り替えによる消費ライン数の増加に伴う一時的な払い出し量不足や、二次側の真空チャンバー排気量のゆらぎによる二次圧変動のような突発的に強い外乱が発生した場合、PI制御では偏差をある時間が経過した都度修正するので、元の値に戻すために時間が掛かってしまい、それが問題視されてしまう事がありました。(下図:PI制御の場合)
それに対する改善方法があるので、今回の解説の最後に紹介しますね。
それがPID制御(比例・積分・微分制御)です。
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しかしこのPID制御も万全ではありません。
むしろ図中の微分動作にあるようなオーバーシュートを伴う急峻な波形を形成してしまうことで、二次側にある真空チャンバーの真空度を一時的に悪化させたり、チャンバー内でパーティクルの巻き上げを起こす可能性があります。
本来それらを防ぐ為に装置のインターロック(PVをモニターし、SVの一定許容範囲を超えた際にアラームを立て、最悪ガス供給を断つ方向へ制御する。)を誤作動させる要件になりかねません。
MFCはよくPID制御されていると表記されますが、実際の動作ではPI制御が主であったりします。PID制御で使用するには、マスフローの流量センサーの主力である巻線型センサーの流量出力信号が決して速くはない事が挙げられます。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan
前回からマスフローコントローラー(MFC)の応答性に関して、調整計での制御方法の解説を始めました。
比例動作を制御するP制御で、目標値と現在値との差に比例した操作量を調節する制御を行うと、ハンチングの小さい滑らかな制御が可能になります。
ただ、流量設定信号(SV)に対して流量信号(PV)が近づくと、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きてしまい、いつまでもSV=PVになってくれません。
このままではMFCの設定信号通りには、流量が流れてくれないので困ります。
そこでPに加えて積分動作=I動作を用いたPI制御が用いられます。
P制御における問題点は、PVがSVに近づくと、MVの伸びが鈍ってしまうことでした。
SVに近い状態でPVが安定はするが、永遠に「PV=SV値」にはならないのです。
このP制御における、PVとSVの差を偏差と言います。
つまり「P制御ではSVにPVを近づけることまでできるが、SVとPVとの偏差を0にできない」という問題があると言い換える事ができるのです。
この偏差をなくすために考えられたのが、積分動作(I動作)です。
上図にあるようにI動作は偏差を時間的に蓄積し、蓄積量がある大きさになった所で、MVの操作量を増やして流量を増やし、偏差を解消させるという特別な動作をします。
このようにして、P動作にI動作を加えた制御をPI制御(比例・積分制御)と言い、一般的なMFCはこのPI動作で制御されいると言っていいのです。
「あれ?MFCの制御はPID動作じゃないの?」
とおっしゃる向きもあるかもしれませんね?
それに関しては、次でお話ししましょう。
あと、念のためですが、ここで説明したPI、最近はやりのPI-MFC(PI=Pressure Insensitive、つまり圧力変動影響緩和型MFC)のPIとは全く別の意味ですから、ご用心ください。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan
前回はマスフローコントローラー(MFC)の応答性に関して、同じ熱式流量センサーでも、巻線型とMEMS型、インサーション型の差を比較してみました。
今回は、MFCを構成する流量センサーと流量制御バルブを制御する調整計の機能に関してお話ししましょう。機器間の関わりは下図を参照ください。
MFCが搭載している調整計は、流量センサーからの流量信号(PV)と外部機器からの流量設定信号(SV)を比較、判断して、流量制御バルブの制御信号(MV)を操作する仕事をしています。
MFCの調整計の用いる制御方法として、PID制御という言葉をよく聞きますね?
ですが、MFCにとってのPID制御という解説にはなかなか適切なものが無いのです。
PIDは大別すると、P動作:Proportional(比例動作) 、I動作:Integral(積分動作)、D動作:Differential(微分動作)のことです。
連載ではP→PI→PIDと順に制御を解説していきますね。
P制御
P制御とは、目標値と現在値との差に比例した操作量を調節する制御方式です。
ある範囲内のMVが、制御対象のPVの変化に応じて0~100%の間を連続的に変化させるように考えられた制御のことです。
ON-OFF制御に比べて、ハンチングの小さい滑らかな制御が可能になります。
SVとPVの差が大きければ加速度を上げてSVに接近させ、PVに近くなると徐々に加速度を下げる制御を行います。
このP制御でうまく制御できると良いのですが、SVにPVが近づくと問題が生じます。
操作量が小さくなりすぎた為に、これ以上細かく制御できない状態になってしまい、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きるのです。
手動操作する場合は、その辺りを上手く微調整して、目標値ピッタリに合わせる事が可能なのですが、調節器を使って電気的にコントロールする場合、目標値との差(偏差)が小さくなりすぎると測定誤差の範囲内に収まってしまうために、これ以上追い込む制御が不可能になってしまうのです。
しかし、MFCではそれは困ります。
SVがフルスケール100SCCMに対して98SCCMでPVが安定した状態は、フルスケールに対して-2%の値で制御を良しとすることであり、通常のMFCに求められる流量制御の要求値からは大きく外れてしまいます。
これでは困るので、解決手段としてPI制御が登場します。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan
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