EZ-Japan BLOG since 2017 真・MFC千夜一夜物語

EZ-Japanブログは、真・MFC千夜一夜物語という流体制御機器=マスフローコントローラ(MFC)の解説記事をメインに、闘病復帰体験、猫達との生活が主なコンテンツです

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真・MFC千夜一夜物語 第305話 MFCとは不思議な存在 その5

【お知らせ】

今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただきました。こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

 

前回は流量設定信号(SVが0以外のある値でMFCに入力された状態で、ガスの供給が遮断された場合、MFCの調整計はSV流量信号(PVの状態をSV=PVとすべく、バルブ制御信号(MVを増やす為、バルブ開度最大でマスフローコントローラー(MFC)が待機してしまい、ガスを導入時に大きなガスサージを下流で発生させるトラブルとその対処法を解説しました。

要はMFCSVPVとするようにMVを自動制御するのをやめろ!」と指示すればいいのです。

 

これに似たような話をしましょう。
それが今流行りのPI-MFCです。

PIとはPI=Pressure Insensitiveの略で“圧力変動影響緩和型MFC”のことです。
PTI(Pressure Transit Insensitive)
と呼ばれることもありますが、このブログでは、総称として「PI」と呼称します。
PI-MFC
は圧力センサーを内蔵することで、例えばMFCの上流の分岐バルブ切り替えで一時的にレギュレーターからの供給圧力が急降下した場合、MFCはその急峻な圧力変動を捉まえ、流量センサーと制御バルブのフィードバック制御に「待った!」をかけて、バルブ開度を一時的にホールドするという仕組みを用いて、急峻な圧力影響からの流量変動を起こさないようにしています。

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でも、これをMFC側から考えてみると急峻な圧力変動影響で供給圧が下がってPVが減り、PVSVが生じ、その為にPVSVと一致するよう、MVを増やす=バルブを開いてしまうという制御自体は、MFCの制御としては決して間違っていないのです。

要はここでも、MFCが通常の流量制御を行っては困ってしまう事態が発生しているのです。

圧力センサーを使ってそのタイミングで自動的にMFCSVPVとするようにMVを自動制御するのをやめろ!」と指示する機能を搭載したMFCPI-MFCと呼称されているわけです。

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ところがこのPI機能というものは、なかなかその動作設定が難しいところがあります。

「急峻な圧力変動」には流量制御バルブをホールドする=流量制御を止めて追従させないけれども、だからといってどのような圧力変動が起きても全く追従しない=流量制御しないとなれば、それは「温度・圧力が変動しても一定の流量制御ができるMFCという存在では無くなってしまうからです。

ガスライン切り替えなどで生じる急峻な圧力変動だけを見分ける方法としては、単位時間当たりの圧力信号の変動量で閾値を作り、その値以上ならばバルブをホールドさせるという判断をPI-MFCにさせる方法が用いられていますが、

「敏感にして(閾値を下げ)頻繁にバルブをホールドさせるのがいいのか?」

「鈍感にして(閾値を上げ)あまりホールドしない方がいいのか?」

これをMFCが判断するのは、非常に悩ましいところなのです。

この悩みはMFCメーカーでいくら議論しても、難しいところです。
やはりPI-MFC
の動作に関わる配管レイアウトとライン切り替えシーケンスを熟知しているのは、装置メーカーさんになります。
なのでこの辺りは装置メーカーさん側で強くイニシアチブを取ってもらった方が収まりがいいのではないか?とDecoは常々思っています。


そしてせっかく圧力センサーを積むなら、PI-MFCPI動作だけをさせるのはもったいないので、ファームウエアのバージョンアップで圧力センサーを用いた新しい流量補正や制御ファンクションを加えて行った方が面白いのではないかと考えています。

例えばブロンコストのPI-MFCは全く違う用途(CFの圧力補正)で圧力センサーを使っていますし、MKSのPI-MFCはモデルコードによってはAPCとして使用されるよう調整されたりしています。
ここらへん頭の固いのは日本のMFCメーカーの性なのでしょうか?(失礼!)

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【出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

 

  

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

真・MFC千夜一夜物語 第301話 MFCとは不思議な存在 その1

【お知らせ】
今まで本ブログは、"EZ-Japan BLOG since 2017”と "真・MFC千夜一夜物語”@niftyココログ版の2つで同時連載進行を行って参りましたが、既に告知の通り2019/5/11をもって@niftyココログ版の方を終了させていただきました。こちらのブログ"EZ-Japan BLOG since 2017"版での連載は、変わらず続けて参りますので、どうか千夜一夜=1001話にたどり着く迄、宜しくお願い申し上げます。

マスフローコントローラ(MFC)というアイテムは、非常にユニークな存在です。
分類するなら質量流量計・・・いや、それはマスフローメーター(MFM)のことです。
"質量流量制御器"という呼称が正しいかと思いますが、あまりなじみのない表現ですね。
MFCの構成は以下の図を参照ください。
 
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流量センサーから出力された信号を、増幅、温度や直線性補正をかけた信号を流量出力(PV)とします。
これをそのまま外部へ送るのならMFMですが、MFCの場合は異なります。
次に調整計が待ち受けています。
調整計は外部からの流量設定信号(SV)とPVを①比較します。
そして②偏差を判断します。
その後、下流に位置する流量制御バルブを③操作します。
この操作は流量制御バルブに対する、バルブ制御信号(MV)の可変で行われます。
アクチュエーター方式にもよりますが、アクチュエーターを伸縮させることで、流路にあるオリフィスの開度を可変させ、オリフィス部で発生する圧力損失を変化させることで流量を制御するのです。

第301話という事で久しぶりに、MFCの制御とは?というお話から始めさせていただきました。

「なんだ、そんな話は知ってるよ!」
「Decoさんの講演で聞いたよ!」
「もっと最新のPI-MFCとかを取り上げてよ!」

と、おっしゃる読者の方々もおいででしょうが、実はこの構造こそが、MFCの最大の特長であり、最大の難点でもあるのです。
コンバージョンファクターと並び、MFCの未来を左右する大きな二大要素です。
このお話の先にはまず「PI-MFC不要論」という最新の流行を否定する話や、「そもそもMFCすら不要」という恐ろしい結論が待ち構えている可能性もありまして・・・
そうなるとDecoもマスフローマイスターを廃業することになりかねませんね!

簡単なお話に見えて、かなり深くて怖いお話です。
2020年はここを突き詰めて参りましょう!

少し早いのですが、11月に逝った父親の四十九日を控え、実家と行き来しますので、年内のブログ更新は今回で最後にさせて頂こうと思います。
年明け1/7(火)からの連載再開をお楽しみに!

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan

EZ-Japan(イージージャパン)Deco こと 黒田です。 2014年6月開業です。流体制御機器マスフローコントローラーを中心に”流体制御関連の万(よろず)屋”として情報発信しています。 日本工業出版「計測技術」誌で”マスフロー千夜一夜物語”の連載中です。
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