この質問に正確に答えられる人は、あまりいないかもしれません。
少し前によく聞いたのは、以下のやり取りです。
「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは性能がいい。」
答) × マスフローとしての基本性能は変わりません。
「フィールドバス = DeviceNet対応マスフローは通信速度が早くて、大量のデータが送れる。」
答) △ ネットワークとしては早いですが、そもそもマスフローの熱式流量センサーはいたって遅いセンサーですし、SV値に対するPV値とMV値以外に特にやり取りすべきコマンドは存在していないので、大量のデーター通信は不要です。
「フィールドバス = DeviceNetに対応できていないマスフローは、世界的にガラパゴスな存在になってしまう。」
答) × 前回の市場シェアグラフ(出典:HMSインダストリアルネットワークス 産業用ネットワーク市場シェア2018)を見る限り、産業用イーサーネットの躍進を見ると、むしろ逆かもしれませんね。
フィールドバスは、そもそもマスフローと何との間を取り持とうとしているのでしょうか?
答えはPLCです。
PLCとはProgrammable Logic Controller
の略称で、シーケンサーとも呼ばれます。
ただ、シーケンサーは、三菱電機(株)の製品名ですので、一般的な機器を指す場合はPLCと呼称した方が良いでしょう。
PLCが何をするものか?というと、簡単に言えば「要求された入力内容に従って、予めインプットされたプログラムを動かし、接続された機器(マスフロー等)へ動作指示を出力する役割を果たす機器」です。
装置の自動制御に特化したコンピューターのようなものと考えればいいでしょう。
で、そのPLCは単独では何もできない箱ですので、多数の機器と接続することになります。
その一例がマスフローですね。
マスフローへ設定指示(SV値)を送る場合、マスフローの流量信号(PV値)を読み出す場合、このPLCとマスフローの間で共通言語が必要になります。
これがフィールドバスです。
例えるなら、サッカーチームの監督がドイツ人で、ドイツ語で指示をするのに、選手が日本語しかわからなかったら、指示は伝わりません。
ミーティングで選手からの日本語での情報も監督には全く伝わりません。
それではチームは機能しませんね?
PLCがアレンブラットリーやオムロンならば、DeviceNet で対話するのをルールにしていて、シーメンスならProfibus、三菱電機ならばCC-Linkといった具合に、PLCメーカーは自らの製品に対応するPLCを決めています。
「えっ、それってPLCメーカーの数だけ、フィールドバス対応品をマスフローメーカーは開発しなきゃいかんの?それにどんな意味があるの?」
こんなセリフを十数年前にDecoはフィールドバスの説明に来てくれた業界の友人に投げかけたのでした・・・・
<つづく>
マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan